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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

平標山                      

谷川連峰  平標沢滑降                       

                             1987年2月28日 
             メンバー:L蔵田道子、高野真砂子、小林真人、岡坂準一 

2月28日(土) 曇りのち晴
 春にはポピュラーなツアーコースである。平標沢もこの時期には、雪崩の危険性があるためか、スキー登山者はほとんどいない。蔵田さんをリーダーに、深雪を味わえることを期待して出かけたが、期待通りのすばらしい新雪であった。
 越後湯沢始発のバス(6時)に乗り、平標山登山口の火打峠にてバスをおりる。
 湯沢を出た時は小雨模様だった。それがバスを下りる頃には、青空が広がり始めた。今日一日天候が崩れないことを期待して出発する。平標山へ入る林道で登山届けを記入した後、高野さんを先頭に軽いラッセルをしながら進む。40分程歩いた所で少し休み、9時丁度に林道と登山道が分かれる分岐点に着いた。ここには平標登山口の道標がある。雪のない時期の平標山頂上への道は平標山の家を経由するが、スキー登山のコースとしては、それよりも標高で100m程登ったあたりの稜線を目指す。
 林道を離れると斜面も急になる。標高1400mあたりから雪がクラストしてきたので、全員スキーアイゼンを付けて登る。登行支柱+スキーアイゼンのコンビネーションは、従来のアイゼン歩行の領域までスキーで登行できる。そんなことを思いながら、登って行くが、旧ジルブレッタを使用している小林君は登行支柱をセットするとスキーアイゼンの爪がほとんど出ないため、相当苦労しているようだ。
 私が一足早く稜線に着いたので、全員が登りつくのをしばらく待っていた。この間だんだんと視界が悪くなり、登るか下りるかの判断に迷うところとなった。私一人であれば当然下山するところだが、ひと休みして頂上を目指す。
 稜線から1時間の登りで吹雪の平標山山頂に着いた。(山頂着12時45分)風が強く視界も悪いので写真を1枚撮っただけですぐ下山にかかる、天候がいいと、山頂より少し下りた地点より滑れそうだが、視界が悪く滑降コースの平標沢入口を確認してから滑ることにしたので、シールを付けたまま下りる。地図を見ると目的の平標沢は、尾根を隔てた、となりの沢であることがわかるが、このころから視界が益々悪くなり、沢へ下りるルートがわからない。蔵田さん、小林君と3人で地図を見ながら考えていたところ、先に行った高野さんより「平標沢はこちらだよ」の確信にみちた声。高野さんのおかげでルートを間違うことなく沢へ入ることができた。すぐシールを外して滑りだす。
 滑りだしの沢源頭部は、少し固い雪質であったが、沢に下りるにしたがって、すばらしい粉雪となる。各自のペースでこのすばらしい深雪を楽しんだが、特にカナダで鍛えた滑りがすばらしい。標高1100mの辺りまで、粉雪であったがここからは傾斜も緩くなり雪質も悪くなった。
 後は、左岸沿いにルートを取り、登り下りの連続で下りる。群大ヒュッテまでは遠かった。スキーが滑らなくなって1時間以上歩き、やっと群大ヒュッテに通じている林道に着いた。ここでゆっくり休んだ後、約1時間程林道を歩き土樽の車道に無事着きスキーを外した。

                                  (岡坂記) 


【コースタイム】
平標登山口発 7:20    −> 林道分岐    9:00/20 稜線 11:15/45 −> 
平標山頂   12:45/50 滑降開始 13:30 −> 群大ヒュッテ 15:40/16:00 
土樽車道  17:00 −> 土樽駅 17:40


【概念図】 
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