ラ・ネージュ山スキー記録集III発行日 1989年12月25日 |
東北南部 天元台より小野川湖へ 1988年1月16日 M:L岩毅、小森宮秀昭、西川克之、鈴木鉄也、蔵田道子 1月16日 前日はお天気が悪かったので、とりあえず人形石の稜線まではトレースを辿って登ったものの引き返し、天元台スキー場の外れにあるセミナーハウスに泊る。 朝起きてみると前日と同じように上のほうは雪の中。今日は小野川湖の方へ下るルートを行ってみようとリフトに乗っているうちに明るくなり、リフト終点では青空が広がり山頂付近もすっかり晴れた。勇んで出発となり、右手の方へ巻き気味に登っていく。 いつもよりずっと雪の少ない木の間を縫って稜線に出、気分よく歩いたのも束の間再びガスが行く手に湧いたので、西吾妻山から下ることにする。見るからに木が密に生えていそうな斜面で、暫くシールを着けたまま下るが、途中で外す。初めのうちは雪質もよかったので、何とか隙間を見つけては滑る。高度を下げるに従い雪は悪いし、ブッシュはひどいし、ルートファインディングも広い尾根で難しく、滑りを楽しむどころではない。幸い晴れているので、遠くの磐梯山の方向等も参考にし、谷が出てくるたび、右や左に大きくトラバースしながら下りていく。最後の方で赤いテープを見た時は、ルートが誤っていないことが確認できほっとした。沢に下りる所は、急斜面、木が密、悪雪と三拍子揃って、シールで下るのが正解だった。そして下りた所にちょうど橋があったのは良かったが、丸太を2本、針金で止めただけの代物で、短いからよかったが、恐る恐るシールを着けたままのスキーで渡る。対岸へ出るとすぐ林道で、ほっとしたと同時に、男の人達は今までの鬱憤を晴らすかのように飛ばしていった。夕方で硬くなった雪道はよく滑り、私にはまた、恐いくらいだった。 こうして登り1時間、下り5時間かけて薄暗くなった頃、やっと小野川の部落に着き、温泉民宿なるものを見つけて、滑りを楽しむと言う思惑は外れたが、それなりに印象深 い山行は終わった。 (蔵田道子) 【概念図】 |