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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

栗駒山                     

東北北部   宮城より岩手へ                          
                          1986年3月21〜22日 
                            L:菅沼博、小森宮秀昭 

3月21日 地吹雪
 お彼岸の帰省客でごった返す急行「八甲田」に潜り込む。とても横になるスペースはなく、うとうとするうちに仙台につきステーションビバーク。翌朝、石越から栗駒へと電車を乗り継いで「いこいの村」でタクシーを下りると、それまでの春らしい暖かさから一変して冷たい風が吹き始め、ヤッケなしではいられなくなった。
 シールを着けて歩き出したものの、風速20m/sはあろうかという猛烈な風でたびたび耐風姿勢を取らされる。途中からアイゼンに履き替える。イワカガミ平らの避難小屋まで、ほんの1Kmの行程で、かなりの思いをさせられたが、入口が雪で埋もれた小屋へ何とか潜り込み、今日の行動を打ち切る。

3月22日 ガスのち晴れ
 翌朝、風は止んだので出発する。栗駒山頂に近づくにつれて視界が悪くなり頂上では完全にガスの中。一応、ガスは山頂付近だけだろうと、予定の笊森方面へ下ることになった。1500m位から視界が開けてホッとする。何しろ傾斜の緩い、だだっ広い斜面ばかりで、視界が悪いとルートを失いそうな地形ばかりだ。笊森の避難小屋は窓から苦労して入り込んだ。実にきれいな小屋で感心する。お茶など沸かして一服してから、以前の沢登で菅沼氏が目を付けておいた産女川源流に滑り込む。
 広く、緩やかな斜面なので、雪質が良かったら快適なのだろうが、何しろ有名な?強風地帯とのことで、斜面はガリガリで、プラ靴で快調に滑る菅沼氏に引き替え、山靴で滑る身には、ちょっとしんどい硬さだ。それでも小屋から林道手前まで、他に誰一人居ない、ゆったりした尾根に、のんびりスキーを滑らせる気分はなかなかよいものだ。標高650m辺で東桂沢の右岸に渡り、600mのラインをトラバースすると林道に出る。
 この林道と直交して、地図には無いがほぼ東に向かって井戸沢林道線という全長7Kmの新しい林道が出来ていて、この道を下る。この林道は雪がクラストしていたせいか、実によく滑り、結局ほぼ全長を快適に滑りとおすことが出来てしまった。集落についてバス停を教えてもらおうとしたトラックに、結局は乗せてもらえることになった。飼料配達のトラックの荷台に揺られて瑞山につき、タクシーで一ノ関へ出た。

                                 (小森宮記) 

【コースタイム】
3/21 栗駒駅 −>(タクシー5080円)−> 憩いの家 9:30 −>   
     イワカガミ平避難小屋 11:30(泊)                

3/22 小屋 6:30 −> 栗駒山 8:30 −> 笊森小屋 9:30/10:40 −> 
      瑞山 15:00 −>(タクシー3950円)−> 一ノ関駅 


【概念図】 
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