Last Update : May 10, 1998
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ラ・ネージュ記録集II
発行日 1982年10月1日
発行人 山スキー同志会
編集人 斎藤 進、川口敏博 他
爺ヶ岳
北アルプス / 南尾根より
1981年11月21日〜23日
メンバー:CL.菅沼、SL.陶山、小森宮、郡司、角田、
伊藤(久)、蔵田、鈴木(利)夫妻、古川
11月21日
タクシーで扇沢に入り、橋の手前で下車する。
左岸のガレ場を登り、指導標から南尾根へ続く夏道を登る。まだ雪が少なくジグザグを
登るにつれ積雪も深くなり岩小屋沢岳の見える辺りよりワカンを装着する。初めてラッセ
ルをしたが膝くらいまでの積もった雪となるとなかなか進まず疲れも出てきて、数歩で交
代するなかなかの重労働だった。
種池山荘に向かってラッセルして行くが、山荘手前の沢で鈴木さんのご主人が通過後雪
崩が起きた。右手の山側へと薮こぎに変更する。急な上りで雪も大分深く大変だった。木
立が少なくなった頃、二羽の雷鳥と出会う。
稜線は吹雪で立っていられないほどであった。少し風の弱いところにテントを張る。
【コースタイム】
扇沢 6:45 → 10:10/20 → 2250m 12:30 →
稜線(2470m) 15:00
11月22日
吹雪の稜線を爺ヶ岳へ向かう。目出帽をすっぽり鼻まで当てると息でサングラスがくも
り前の人が見えなくなる時もあり、踏み跡をひたすら着いて行く。強風の稜線上だったが
ワカンからアイゼンに履き替える。ここで時間がかかりすぎて身体はすっかり冷え切って
しまった。歩行中アイゼンバンドが緩み、付け直す人が数人いた。
爺ヶ岳三角点より少し歩いたところで傷はなかったが、右足が地に付かず2−3m左の
谷側へ滑ってしまった。それからは怖くなり急にスピードが落ちてしまった。
樹林帯に入ると風がなく、初めて息がつけた。後から来たパーティが追い越して行くが
長時間休む。
冷池小屋方向への分岐点より赤岩尾根へ下る。ここでも数パーティと出会う。
高千穂平手前の急斜面にテントを張る。夜は晴天で空を見上げると無数の星が輝いてい
た。
【コースタイム】
2470m 7:00 → 爺ヶ岳南峰 7:55/8:00 →
主峰 9:25/35 → 2500m 11:10/40 →
赤岩尾根J.P. 11:50 → 高千穂平 13:55
11月23日
朝焼けの美しい槍ヶ岳を見て、来て良かったと思った。
ピッケルを使いながら急斜面の赤岩尾根を下る。アイスバーンになっていたり、岩があ
ったりで、危険な場所もあったが無事下ることが出来た。
【コースタイム】
7:10 → 両俣出合 9:30/10:00 →
大谷原 11:40 → タクシーにて大町 12:30
(古川 記)
電子化 作野
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