発行日 1982年10月1日 |
1.スキー |
最近は創立当初よりも山スキー志向が強まり、使用しているスキーや締具も変化して いるようだ。 スキーは以前はゲレンデ用が主流だったが、今では山用スキーが主流と なっている。新雪や深雪の中で雪煙をあげながら滑ることを至上の喜びと感じている多 くの会員は、滑り易さという点から今はやりのトップが柔らかい軽目のスキーを使用し ている。 ただ、トップが柔らかいとアイスバーンなどの際ヘッドがぶれて安定が悪いようだ。 堅い雪には少し堅目のスキーが良いようだが、今のところ使い分けている会員はほとん どいない。 当会のベストセラー:デュレグランレイド |
2.締具 |
骨折を未然に防ぐために必ずセーフティー機能のあるものを使用させている。重量が 問題でスキーが軽くても締具が思いと何にもならない。ジルブの300は軽くて良いが ヒネリのセーフティーがなく、足の弱い女性にはすすめづらい。400は高価すぎる。 ビネッサ2000も軽いが深雪のシール登高に問題が起きている。当会のベストセラー はビネッサFHだが靴を選ぶのが難点である。登高支柱は大変重宝するのでセットとし て考えるべきであろう。 |
3.山スキー靴 |
良くはき慣れている靴でも重荷のシール登高では踵にマメができてしまう。完全な靴 など作り得ないとゴローの人が言っていたくらいだ。既製品派とオーダー派に分かれる が、既製品は店で長時間はいてみることだ。オーダーに際しては足のクセ等を良く伝え て作ってもらうべきだろう。そうして選んだ靴でも実際荷物を背負って山に入ると泣か される場合もあるようだ。 今はやりのプラスチック靴もスキー靴タイプのものは山には使えない。当会では大失 敗の例もあり会員には勧めない。ヒモ式のものは仲々評判が良いようだ。防水が良くメ ンテナンスも楽なので便利だろう。プラスチック靴といってもスキー靴の感じではなく、 むしろ革製のものより柔らかいほどだ。ただプラスチック登山靴の多くは前後のコバが 小さく、締具を選ぶので注意が必要だ。 |
4.新素材(1) |
★ゴアテックス 多くの会員がゴア製品を使用しているが、そのほとんどが第一世代の製品で現在では 消耗が著しいようだ。多くの製品があるがシュラフカバーについては特に優れているよ うだ。当会の会員のほとんどがこのシュラフカバーを使用している。またゴアの雨具を 厳冬期用のオーバーヤッケとして使用している例が多い。 多孔質フィルムを中に挟んだ三層構造が結果的に災いして、比較的早く剥離現象が起 き防水性能が落ちてしまうようだ。高価なわりには耐久性に問題があるようだ。 |
新素材(2) |
★エントラント 雨具として使用している会員が多い。特に3月〜4月頃はゴアに替え雨具とオーバー ヤッケを兼ねて使用している。ただゴアよりも大分蒸れるようだ。エントラントの雨具 を厳冬期もヤッケとして使用している例もあるが、ダブルヤッケも具合が良いようだ。 耐モミ性能が優れており、ゴアよりも耐久性は数段優れているようだ。 また価格も ゴアより安価なのが魅力でもある。 |
新素材(3) |
★ミクロテックス 現物を使用していないので何とも言えない。ただエントラントの後から出てきた製品 なので、それなりの期待は持てそうだ。 ★ハイパロン 完全防水の素材で雨具に使用している。 前記の素材(ゴア、エントラント、ミクロ テックス)と異なり透湿性がないため良く蒸れる。価格面でもエントラント製の雨具と 大差なく、なんとなく中途半端な存在のようだ。 |
新素材の購入 |
縫製の良い物でかつ安価なものを購入すれば良いのだが、必ずシームテープを貼って ある製品を選ぶことが重要な点だろう(雨具、ヤッケの場合)。特に山と渓谷の広告は 重宝している。 *雨具……◎エントラント、○ハイパロン (ゴアは高価なため雨具だけではもったいない。) *シュラフカバー……◎ゴアテックス、○エントラント *スパッツ、オーバー手袋……◎ゴアテックス、◎エントラント *オーバーヤッケ……◎ゴアの雨具、◎エントラントのダブルヤッケ、 ○エントラントの雨具 その他テント、ツェルト、ザック等はゴア等である必要はなさそうだし、ゴアは特に 嵩があり、濡れると重いので持っていてもほとんど使用していない会員もいる。 |