Last Update :Jul 27, 1999 概念図追加
Apr 22, 1998
戻る


 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

焼山                  

頚城 / 笹倉温泉へ

                         1982年5月2日〜5日 
              メンバー:CL猿田、SL安達、蔵田、今野、重田 

5月2日(日) 小谷温泉 → 雨飾山

 松本より先不通とは聞いていたが、行けばなんとかなるだろうとガラガラの電車 大糸線南小谷駅より1時間程バスに揺られて、小谷温泉についた。小谷温泉は、山の斜面に、へばりつく様に宿がならんでいて、いかにも、山間の、いで湯といった趣だ。 ここよりしばらく、舗装された林道を、スキーを、かついでいく。小谷温泉の辺りには、全然雪がなく、これでスキーができるのか、「チョット」不安に
なるが、雨飾山荘を過ぎるあたりより、雪が、辺りにチラチラしはじめ、やがて完全な雪道になる。このあと林道は、鎌池に向って、大きく迂回するが、このあたりより、右下を流れている川の、川床におりて、これを行く。このあたり、中谷川といわず太海川と地図にある。川床には、2〜3mの雪がつもっているが、すでに雪面には大きな亀裂が入って、濁流が流れており、時々この流れに行く手を遮られて、とんだ高巻を強いられる。
 ルートはこのあと、夏道づたいに枝沢をつめて、雨飾山東面を、からみつく様に登っていくのであるが、ガスの為にルートを、見失ってしまって、雨飾山山頂直下の、ガケにぶつかって、ストップを食ってしまった。したがって、雨飾山のピークを踏むことが、ついにできなかった。この山の太海川の斜面は、ガケ、急斜面、といった、「ヤバイ所」がいたる所にあり、滑落したら「チョット」止まらないといった感じなので、視界のきかない時は、十分に注意する必要がある。

【コースタイム】 
小谷温泉 7:50 → 1838mBC 15:30 


5月3日(月) 雨飾山 → 金山

 翌日は、雨飾山の側面をトラバースして、荒菅沢に降り、右側の尾根を登って、茂倉尾根に出、雨飾山登頂をパスして、このまま、尾根づたいに、金山まで行くことになった。 
 スキーを、はいたり、外したり、小さなピークを登ったり、降りたりの末、こんもりした山容の金山の斜面に取りつく。
 金山は、神楽峰の上の芝の斜面を、スケールアップした様な感じで、山スキーに関するかぎり、雨飾山と焼山との間にある、通過する山にしておくには、おしい山だ。むしろ金山は、雨飾山よりポピラーであるべきだ。
 ダラダラした斜面を、エッチラ、オッチラ、やっと登った金山の頂上は、広々としていて、晴れていれば、焼山が手に取る様に見えるはずであるが、ガスの為全く視界がきかず、ここより高い所がないからたぶん、頂上だろうといった「アンベイ」だ。 頂上より「チョット」北側に降りた、尾根上に、ツェルトを張る。

【コースタイム】 
BC 6:40 → 荒菅沢 8:00 → 茂倉峰 12:20 → 金山 15:35 → BC 16:00


5月4日(火) 金山 焼山 笹倉温泉

 今日は飯縄山へのツアーである。正月のせいか、リフトの動き出すのが遅く瑪瑙 3日目は、早朝はあやしげな天気であったが、しだいに回復し、時々ガスの切れ目から、焼山が顔を現わすようになった。実をいうと、金山から焼山が、こんなに近くに見えるとは、誰も思っておらず、前日はるか遠方に見える山を、あれが焼山だろう、などとやっていたものだから、ガスが切れて、目の前に「デーン」と現れた時は正直いって「ビックリ」した。金山のピークまで「チョット」登り返して、金山−裏金山−焼山と続く稜線を行く。これは、前日の茂倉尾根同様小さなピークを登ったり、降りたり、の連続だが、全体に下りが少し多い様だ。スキーを、つけたり、はずしたりをくり返した末、焼山のスソにある、富士見峠に到着した。 
 富士見峠の手前の斜面は、傾斜が相当急で、スキーをひきずっての登高は、バランスを失って、転倒しそうで、緊張した。
 富士見峠の上部で一休みのあと、荷物をデポして、デポ地点よりほぼ夏道ずたいに、火口直下まで伸びている、雪渓を滑ってみることになった。この雪渓は、上部相当急で、クラストしている時は、「アブナイ」が、滑降意欲をそそられる斜面である。
 さて、デポ地点まで、もどったあと、本山行最大の目的である、焼山北面台地の滑降に移る。 ルートはデポ地点より、賽の河原の上部までトラバースぎみに滑降し、賽の河原の手前の台地を降りて行くというもの。
泊岩より、坊々岩上部をトラバースぎみに滑降、最初の沢を、わたって、一休みしたあたりまでは、天気も上々で、まずは、快適な滑降であったが、この頃よりガスが、かかり始めて、視界がまったくきかなくなり、賽の河原を行き過ぎて、引き返すはめに、なってしまった。まあ、視界がきけば、一目瞭然で、どうと言うこともないのだが視界がきかない時は、賽の河原にはっきりした目印がなく、しかも、賽の河原の下部は、この時期水が流れていて、渡り返すことが、不可能となるので、注意を要する。賽の河原の間の斜面は、傾斜もそれ程急でなく、池の平までの高低差1000m無木に近い大斜面を、ほぼノンストップでブッ飛ばす。
 池の平を過ぎるあたりより、ルートを、焼山川ぞいにとっていくと981Pの右側あたりで林道に、でくわした。
(この林道は、S48測量の、湯川内1/25000の地図には、のっていない。)
 まだ、雪が残っている林道を、なおも、未練たらしく、雪が切れるまで滑って行くと、ずっと下の方に集落が見え、その集落の村はずれ、といった様な所に、笹倉温泉があるのが、見えてきた。

【コースタイム】
BC 7:00 → 金山 7:30 → 富士見峠 9:00 → 焼山 10:10 → 
賽の河原 11:50 → 焼山橋 16:40 → 笹倉温泉 17:20 


記:重田、電子化:西川 


【概念図】
戻る
山スキー同志会のホームページへ
メールの宛先:
webmaster@ysd-jp.org