Last Update :Jul 8, 1999 概念図追加
Jan 25, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

平標山(2)                 

上越 / センノ沢 
                         1981年3月7日〜8日 
                    L長谷川、小森宮、菅沼、作野、高野 

3月7日(土) 火打峠 → 平標の池 

 火打峠でバスをおりる。快晴の中、昨日降ったばかりの軽い10cm程の新雪を踏込みながら、ゆるやかな河内沢を登る。林道のどんづまりで小休止をとる。
 ここからほぼ夏道沿いに平標山の家に向って登る。対面の苗場スキー場がよく見え、音楽も風に乗って聞こえてくる。中腹あたりから傾斜が急になる。小森宮、長谷川両氏はスキーアイゼンをつけたが、それでも登りきれない。皆ツボ足で登る。傾斜がきつい為胸まで雪がつきそうである。快調に高度をかせいで平標山の家のすぐ脇に出た。 
 目前に仙ノ倉の真白な大斜面がひらけた。360度の展望を楽しみながら平標山頂への大斜面をシールをきかせて登る。風は東風。山頂はすごい風である。目の下は西ゼンの深い谷に落込む雪原。その先の方は毛渡沢から土樽まで見える。しかし、今までのポカポカ陽気とは一転して強風の中での山頂からの下りは厳しかった。
 ウィンドクラストした急斜面をシールをつけたまま斜滑降・キックターンで鞍部までおりたが、そこが風の通り道でどうにもならない。スキーを脱ぎ、やっとの思いでヤッケを着込み、スキーをザックに着けた。背負うとき風に吹かれてよろける。目前のピークはトラバースせず、必死の思いで1890mの地点まで直滑降する。そこに2時間30分程で雪洞を作った。

【コースタイム】
火打峠 7:25 → 尾根取付 10:00/15 → 稜線 11:10/45 → 
平標山 12:35 → 平標の池 13:15 (泊)


3月8日(日) 平標の池 → 二居

 出発予定の7時になっても外は濃いガスで何も見えない。10:00まで待ち出発した。菅沼氏が先頭、次に小森宮氏最後尾にCLの長谷川氏の形で進路を修正しながら進む。一の肩まで1890〜1850mの高度を維持しながらコンパスと高度計による計器行動である。
 ガスの中わずかに出ている木を確認しながら高度を徐々に下げつつ一の肩に着いた。このあたりからガスが切れ始めた。一の肩から松手山のコルへの急斜面は雪が着いていない。ガッカリしてアイゼンで下る。松手山のコルでスキーを着ける。待望の下りである。ようやく晴れ間さえ出てきたセンノ沢を下った。滑り出しは絶好のスロープと雪質であったが、それもつかの間、以後はトラバース気味となり雪質もどんどん悪くなっていった。それでもところどころ雪質のよい所を見つけては深雪を楽しんだ。前方回転もまじえながら、雪質の変化に対応できるスキーは難しいナと思いつつ二居に着いた。

【コースタイム】 
平標の池 10:15 → 一の肩直下 11:00/20 → コル 11:35/55 → 
センノ沢1040m 12:50/13:10 → 二居 13:40


(作野 記) 

【概念図】                                     


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