Last Update :Jul 8, 1999 概念図追加
Jan 25, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

平標沢                 

上越 /
                           1981年4月18日 
                  L長谷川、菅沼、鈴木(利)夫妻、小森宮 

4月18日(土)

 今年3度目の土樽駅に下車する。先週に比べれば人も少なく待合室でゆったりと眠る。朝起きた所で丁度鈴木清高、利英子夫妻が現われる。待合室を出ると正面の山は殆ど雪が落ち、黒い山肌の方が多くなっている。橋を渡り、国鉄の線路を越えた所でスキーをはく。周りの山々もまだら模様が多く、沢沿いにスキーを進めると雪融けの水音もひと際高くなって春を実感する。2月末に3時間かかった郡大ヒュッテに1時間半程で着いてしまった。 
 明日の雪訓の為の荷物を置いて平標沢へ向かう。本流の中は雪が切れてスキーでは渡れない所もあるので左岸寄りを進む。 仙の倉沢出合辺りから昨夜降った15cm程の雪が腐ってシールに着き、非常に歩きにくくなる。カンバコギ沢出合から平標沢へ入って暫くはシールに雪がダンゴの状態が続き、こんな事では今日の滑りはとても楽しめそうもないと半ば諦め顔になる。
 沢が四方に開けてくる辺りから、雪も若干良くなるが急な傾斜ですぐにスキーを担ぐ事になる。この時分には空もすっかり晴れ上がり日白山等見えてきた。稜線近くになると、かなりクラストになり、下りが心配になる。
 一の肩近くで休憩するが風が強くてゆっくり休めない。早々にスキーをつけるが、出だしがアイスバーンなので明日の雪訓用に持参したヘルメットなどかぶり、慎重に横滑りで下る。沢の左側にまわり込むと、直きに新雪のかぶった斜面となった。
 ここからは登りでは予想もしなかった、快適な雪質となった。菅沼氏をトップに、長谷川氏、鈴木夫妻、それに私と雪煙を上げながらのごきげんな滑降となる。上越の、それも4月とはとても思えないような粉雪の感触に酔う。私としては正月から以後悪雪ばかりで今頃粉雪とは、山の雪というのは、分からないものだ。
 1300m辺りからは、さすがに湿雪となったが、それでもあっという間にカンバコギ沢出合に着いてしまった。

【コースタイム】
土樽 6:30 → 郡大ヒュッテ 8:30/9:20 → カンバコギ沢出合 11:00 → 
1870m 13:45/14:20 → 1360m 14:50 → 郡大ヒュッテ 15:50


(小森宮 記) 

【概念図】                                     


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