Last Update : Apr 24, 1999 概念図追加
Jan 17, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

八甲田山                 

東北 / 睡蓮沼定着                      
                          1982年5月1日〜5月5日 

5月1日(土)小雨 
 メンバー:L高野、田中、柳沢

 青森駅から観光バスに乗る。少し盛りを過ぎた桜を見ながら、南へ向かう。萱野茶屋辺りで白い前岳が見えてほっとする。酸ヶ湯で昨日入山した田中さんと合流、一日中雨で、睡蓮沼付近は無人だったので酸ヶ湯へ泊ったとの事。スキーの指導員に各ツアーコースの雪の状況と八甲田温泉方面へのバスの時刻表をもらい睡蓮沼へ。バス停の南30m程の木の間にテントを設営。ガスの中、南へ向けて出発、1時間20分ほどで稜線に出た。
 東へ進み、猿倉岳頂上で小休止して、北へ向けて滑降開始。コースの指導標が見つからず、下りすぎたので東へトラバース、広い沢状の真中で指導標を確認、コースに沿って滑る。上からだと確認しずらい。ザラメ雪を快適に滑り猿倉温泉で、汗を流して10分程歩きバスで睡蓮沼へ戻った。

【コースタイム】
睡蓮沼 9:20/11:10 → 猿倉岳 12:35/13:00 → 猿倉温泉 13:45/14:20


5月2日(日)雨
 メンバー:L高野、田中、柳沢

 後発隊の到着までに戻る為メモを残して出発。睡蓮沼から北東へトラバース気味に登り二つ目の沢に沿って北に進み小岳と高田大岳のコルへ、雨具を着て急斜面の樹林帯を上り這い松に遮られて夏道を探すのに少し手間取る。スキーを担ぎ山頂へ、小休止して夏道通しに10分ほど下山。樹林帯を東へ、薮こぎをして広い雪面に出る。
 スキーを着けて滑降開始。ガスで視界が悪く左側へ寄り過ぎないように滑る。急斜面だが広いので滑りやすい。目標とした974m地点が見えたので、南西に向けて小尾根に沿って滑り、猿倉温泉バス停手前の橋のところに出た。
 バスで睡蓮沼に戻ったが、昼過ぎになっても、後発隊は現れず、この雨では、酸ヶ湯辺りでのんびりしているのだろうと、再びバスで猿倉温泉へ。鈴木(由)さんに会ってびっくり、一人だけで来たという。テントへ戻ると間もなく後発隊の残りのメンバーが到着した。ガスが切れて初めて高田大岳が見えた。

【コースタイム】
睡蓮沼 6:25 → コル 7:50/8:00 → 高田大岳 9:18 /35 → 猿倉温泉バス停 10:50


5月3日(月)小雨後曇り、夜大雨
 メンバー:L高野、田中、柳沢、針谷、鈴木(由)、藤原、古川、
        SL郡司、陶山、伊藤(久)、角田、坂井

 ガスの中、睡蓮沼より北へ向かう。硫黄岳寄りに仙人岱ヒュッテを目指して出発。途中大岳から猿倉温泉の指標を辿り仙人岱ヒュッテ到着。ヒュッテより北へ向かい大岳、井戸岳の東の山腹をトラバース。指標を見失いガスの為、現在地が分からなくなった。急斜面に入り這い松に行く手を阻まれて引き返し、井戸岳と思われる左の斜面を少し登ると稜線に出た。北へ登ると10分程で赤倉岳の山頂であった。泥道をスキーを担いで少し下り雪面に出た。ロープウェーから来たスキーヤーにあった。スキーを着けて滑り出す。暫くは薮がうるさかったが間もなく快適な滑降になった。小休地点でガスが晴れて、遠くに海が見えた。
 とばしたためか、樹の下穴に足を取られた人もいたが、樹林帯を気持ちよく滑降して八甲田温泉の入り口へ出た。最後の地点は細い雑木が多くて滑りづらかった。本日帰京の田中、柳沢さんと分かれて、10分ほど歩き八甲田温泉に入り、バスでロープウェー駅まで。国鉄バスとの接続が悪く暫く待ってテントに戻ったのは3時頃であった。
 天気が良かったので外で食事の支度をした。夜は遅くまで宴会になり明日の天気の為にテルテル坊主を作った。

【コースタイム】
睡蓮沼 6:15 → 仙人岱ヒュッテ 7:30/40 → 赤倉岳 9:35/55 → スキー下降点 10:20/35 → 小休止地点 10:50/11:05 → 八甲田温泉入口バス停 11:30


5月4日(火)雨
 メンバー:L高野、針谷、鈴木(由)、藤原、古川、
        SL郡司、陶山、伊藤(久)、角田、坂井

 テルテル坊主の御利益もなく夜通し強い雨が降り、風も強く起床時間になっても変わらず、寝たまま様子を見る事にすると、6時頃、雨がやみ、風が弱くなったので起床、出発が遅くなったので、硫黄岳の滑降を諦め、直接小岳へ向かうことにした。仙人岱ヒュッテを目指し、途中から小岳への沢に入り、そのまま沢をつめて、這い松に出て夏道を探してスキーを担いで小岳の頂上へ。少し下りたところでスキーを着ける。滑り出しが急で恐かったが、転倒した人が余り滑落せずに止まったので安心して斜面に向かって滑り出した。
 広い雪面には所々段差や亀裂がありうっかり踏み込むと危ない。小岳と大岳のコルへ20分登り返す。高田大岳の登りはシールでは急すぎて歩いて登る。真っ直ぐ登っているつもりがいつのまにか右へと行ってしまうので夏道を外れない為には意識して、左寄りに進まなければならない。這い松帯に出て夏道をスキーを担いで登るが強風で思うように進めない。高田大岳の頂上から少し下がったところで小休止、東へ這い松こぎをして大斜面に出る。ガスで足元がはっきりしないのでゆっくりと滑降して猿倉温泉のバス停着。温泉に入ってバスでテントに戻る。
本日、鈴木(由)さん帰京。

【コースタイム】
睡蓮沼 7:50 → 小岳 9:45 → 登り返し点 10:15/30 → 高田大岳 11:35/12:00 → 滑降地点 12:15/25 → 猿倉温泉バス停 12:55


5月5日(水)雨後晴れ
 メンバー:L高野、針谷、藤原、古川、SL郡司、陶山、伊藤(久)、角田、坂井  

 5日間とも雨、雨具を着て出発。南西の尾根に沿ってニセ駒へ向かう。1時間ほど登った頃に霰に変わり雷まで鳴り出す。ニセ駒山頂に着いても天候回復の兆しもなく、寒さが応えるので、テントへ引き返すことになった。
 滑降中一人が転倒、目と脚を傷つけたが小休止後滑り出す。もう一人は、急斜面で滑落、サブザックの紐が切れて修理。天候が回復し、風は強いが雲がなくなりテントにつく頃には、太陽が顔を出した。テントを撤収して強風の中で長いこと待ってバスに乗り酸ヶ湯へ。
温泉に入って帰京した。

【コースタイム】
睡蓮沼 6:05 → ニセ駒山頂 7:20/30 → 睡蓮沼 8:00 


記:高野、電子化:作野


【概念図】

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