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ラ・ネージュ山スキー記録集 I 


  発行日 1980年11月1日

白馬大雪渓

1979年6月23日〜24日

メンバー:L遠山、高井、田中、他1名

6月23日 曇りのち雨 雪渓〜村営小屋

白馬駅2階の食堂で朝食を済ませ、タクシーで猿倉へ向かう。小屋に、雪渓のスキーは危険云々の貼り紙がある。横目で見ながら板をくくりつけていざ出発。とても暑く1時間で白馬尻に到着。

雪渓はパックリと口をあけており、激流がゴウゴウ大音をとどろかせている。冷たい風が吹き下りてきて、一瞬のうちに肌寒くなる。

足元は、大きな大きなスプーンカットで、大きな石や小枝が散乱している。葱平の急流は完全に雪の下である。私だけアイゼンを付けて小雪渓のトラバースを終わると土と雪の所々ミックスした登りとなり、雨が強くなってきたので、2500m地点で設営するが、荒天と浸水の為、急遽撤収し、30分ほど登って、乾燥室のある村営小屋に到着した。

6月24日 晴 白馬岳〜大雪渓滑降

早朝一面濃いガスの為、暫く様子を見る。次第に明るくなってきたので、頂上に行く。そのうち青空が広がってきて剣も四方の稜線も、そして足元の雲海も切れて、これから滑る大雪渓が見通せる。急で怖いようだ。

杓子岳や旭岳には良い雪の斜面が残っている。数日滞在して、自由に滑り遊べたらいいなと思いつつ小屋に戻る。

雪が無いので2500m付近まで下ってから、いよいよ板を履く。緩斜面で腐れ雪なので、怖くない。広い楽な斜面から急斜面に移行。小雪渓トラバース地点から急激に落ちている。横滑り斜滑降で安全に行く。少し進むと、中央に大岩が出ていてその周囲はシュルンドになっている。少し進むと葱平に近くなり、緩斜面となる。大雪渓上部に滑り込み、あとは勿体ないので端から端を大きく回る。

スプーンカットで、板の上下振動が激しく、膝で必死に板を抑えるが、足が痛くなってくる。膝がガクガクし、板がガリガリと石をこすっている。でも予想していたより、はるかに曲がることができ、快適に滑れた。登ってくる人に、スキーで落石をしやしないかと心配であったが、それは大丈夫であった。

白馬尻で、ポール練習のグループに交じって遊び、猿倉発11:40のバスに乗り込む。

板は無残にも、えぐれてしまったが、こんなに爽快な山スキーは止められない。帰りの列車も空いていて、梅雨の晴れ間の充分満足なスキー行であった。

【タイム】 
小屋7:20→頂上7:50→2500m滑降開始8:40→白馬尻9:40/10:40→猿倉発バス11:40

(田中 記) 

【概念図】

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