Last Update : Feb 10, 2012
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ラ・ネージュ山スキー記録集 I 


  発行日 1980年11月1日

谷川岳より西黒沢

1980年4月12日(土) 晴のち曇り

メンバー:長谷川、作野、橋本、坂元

今日の目標は、谷川岳頂上から南面の大斜面を下り、熊穴沢・西黒沢を経由して土合口まで一気に滑降するコースである。谷川岳までは、一ノ倉岳から滑降する小森宮・遠山両氏と同行する。

9時前に始発のロープウェイに乗り込み、リフトを使って天神峠まで登る。田尻ノ頭の鞍部まではスキーでそのまま滑りこむ。途中の田尻ノ頭からの谷川岳の眺めは、双耳峰と真白な南斜面が対照をなしてとても魅力的である。鞍部からはスキーをザックにつけ、ツボ足で行く。緩やかな起伏が続くが、所々夏道が出ていて歩きにくい。空気筒だけを残して雪にすっぽり埋まった熊穴沢避難小屋を過ぎると、登りは急になる。第一の露岩を越えると、後は急な雪原がずっと続いている。ザラメ雪にキックステップを刻み、徐々に高度を上げて行く。息遣いが少し荒くなった頃、左手にひょっこり肩の小屋が現れた。元気回復してラストスパートをかけ、12時に頂上に着いた。

40分ほど頂上で過ごした後、小森宮パーティと別れ、スキー滑降に移る。肩の広場を左に横切ると、足元に広大な雪田が広がっている。ザラメ雪に大きなシュプールを描いて一気に下る。爽快な滑降は5分ほどで終わり、大きな露岩の手前で右手の尾根へ回りこむ。ここからは尾根の右側(西側)を巻き気味に下る。小さなクレバスや灌木が現れ、滑りづらくなる。

避難小屋からは谷筋の滑降に入る。熊穴沢は、上から見た時には、傾斜は強いが幅は広く雪面もきれいで滑りやすそうな感じであった。ところが、いざ滑降に移ると雪は重く足を取られるうえ、スキーで切った雪面が「ざー」という不気味な音を立ててゆっくりと流れて行った。途中で右手の樹林帯へ逃げ込み、そのまま幅の広い尾根をトラバースし、次の開けた急な谷を下降して西黒沢に降り立つ。デブリの堆積した川床に滑らぬスキーをひたすら走らせて、やっとの思いで田尻沢の出合に着く。雪崩地帯も過ぎた安心感で、ゆったりとした気分になれる小休止して、川の水で乾いた喉を十分潤した。ここから、雪を拾いながら10分ほど滑るとロープウェイ駅そばの駐車場に出ることができた。

【タイム】 
ロープウェイ8:55/9:15→天神峠リフト9:30/9:45→避難小屋10:25/10:30→大一露岩10:50→第二露岩11:00/11:15→谷川岳山頂12:00/12:40→避難小屋1:00→田尻沢出合1:25/1:40→土合小屋1:50

(長谷川 記) 

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