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ラ・ネージュ山スキー記録集 I 


  発行日 1980年11月1日

飯豊連峰縦走

1980年4月28日〜5月4日 

メンバー:遠山ほか2名

4月28日 曇り 山都駅→横峰(地蔵山手前ピーク)

朝、6時頃の電車で、私以外の2人が到着して山都駅に3人が集合した。私は4月27日の昼ごろ東京を出て現地に深夜に着き、待合室の外にベンチで一夜を明かした。残念ながら待合室には入れなかったのである。

7時10分、単独行者とわれら4人で代のワゴンカー(タクシー)に乗って出発。8時頃川入の飯豊鉱泉に到着。これ以上は雪の為車は入ることは出来なかった。御沢小屋までは途中からシールを使った方が結果的には楽だった。

午前9時に御沢から地蔵に向かって登り始めた。上15里までは雪が少なく、上15里で早い昼食を取る。重かったパイナップルをぱくつき最高の気分に。この上15里を出てから少しずつ風が強くなりだした。横峰直前の尾根の広くなったところ(夏には小屋のあるところ)に良いテント場があったので、そこで1泊することにした。

(結果的には地蔵の頂上の方が良かった。)この横峰付近には足馴らしに恰好な斜面がある。3時のオヤツの後、早速練習開始。遠藤氏のスキー(金具)の調子が悪く直したりしていたら、午後6時を回っていた。

【タイム】 
山都駅7:10→川入8:10→御沢9:00→上15里11:00/11:50(昼食)→横峰18:00

4月29日 快晴 横峰〜本山

天気が悪いなと思いながら、ラーメンを作るのが遅れて、出発は午前8時半となった。ところが出発する時には快晴となっていた。シールを付けて40分で地蔵山の頂上へ。あまり良い斜面なので登った斜面を1K程滑り降りた。最初の感激!登り返すのが辛かった。三国岳・本山の眺めが素晴らしい。少し休憩して三国岳へ向かって滑降開始。アッという間に鞍部について、細い尾根の登りを開始。1時間で三国岳へ達した。待望の昼食。大日岳の眺めが素晴らしく本山も見えた。この付近は巨大な雪庇が沢山ある。種蒔山への稜線は雪がはげているところが多い。ヤブコギまでやった。三国岳から1時間半で種蒔山に着いた。切合小屋のあたりは良い斜面がいたる所にある。切合は1、2泊したい所である。バテバテになりながら午後6時半に頂上小屋へ到着。間食を取らなかったのがいけなかった。気温も下がって等々小屋の中にテントを張ってしまった。

【タイム】 
横峰8:30→地蔵山9:10→(スキー(1.3K戻った。)→地蔵山10:45→三国岳12:00/13:05(昼食)→種蒔山14:35→切合小屋15:30→頂上小屋18:30

【概念図】はこちら

4月30日 ガスのち曇りガス 本山→御西小屋

ガスに覆われて視界零。それでも本山へ向かう。途中から少し晴れだし、本山頂上へ着いたら、曇りだがガスは無くなった。烏帽子も大日岳も360度の大パノラマだ。御西に向かって1.5Kのトラバース気味の大滑降。1988mピークに荷物をデポ。南へ向かって沢を0.8K程滑降して昼食。1988mへ登り返した頃からガスが出だした。御西岳を過ぎたあたりから視界10m程度となった。足跡を頼りに小屋に午後1時到着。私だけは小屋で昼寝。後の2人は駒形沢へ偵察に出た。しかし、視界が無かったのですぐに戻ってきた。小屋はまだ新しく居心地はよい。これだけが救い。

【タイム】 
頂上小屋8:25→本山頂上8:50→(スキー)→ピーク(1988)10:15→(スキー、昼食)→御西小屋12:50

5月1日 ガス無風のち強風 御西→大日→御西→烏帽子直下

今日も朝からガス。それでも大日岳へ出発。最初はスキーが使えた。晴れていれば結構楽しい斜面だろうと思いながら下る。文平の池まではシールを使った。スキーをデポして大日へ。2時間で大日岳頂上へ着いた。視界5m程度の尾根を小屋まで戻った。早い昼食を取り、前日の天気図によれば午後から回復にに向かうということを前提にカイラギ小屋へ向かって出発。ところが希望的な予報(想)とは裏腹にどんどん風は強くなるし、気温も下がり、暗くなり始め位置未確認のまま大きな斜面の中腹にテントを設営。この時午後4時。スキーが非常に邪魔だった。風にあおられて。

【タイム】 
御西小屋6:30→大日岳8:40→御西小屋10:00/12:25(昼食)→烏帽子岳直下にてビバーク16:00(風強く危険と判断)

【概念図】はこちら

5月2日 みぞれ 風強し 烏帽子直下

1日中テント暮らし。

5月3日 快晴 強風 烏帽子直下→カイラギ小屋

天気が良くなってみたらピークの直下にテントを張っていた。アイスバーン気味だったのでわざわざアイゼンを付けて出発。5分でピークへ。そこはなんと烏帽子の頂上だった。ここも北股は見えるし眺めが良い。この頂上でアイゼンからスキーに履き替えた。カッパを着たまま。そして滑降開始。私が最後にスタート。その直後、真実氏が転倒。そのまま300m下(距離600m程)へ直滑降。アッという間に見えなくなってしまった。カッパの為に止まるべきところでも止まらなかった。幸運にも傷はなかった。深く反省。カッパを着て滑るべからず。滑るはずはなかった滝沢上部を滑ってしまった。傾斜がきつく登り返しがしんどかった。

強風の中をカイラギ小屋へ。小屋に到着後、直ちに食料を探したが、醤油のみ。後続部隊に望みを託して石コロビ雪渓でスキーを楽しんだ。残念ながら前日の新雪が腐って散々だった。石コロビから戻って小屋で昼寝をしていると後続部隊5人(ただしスキーは無し)がバラバラと到着。食料の不安が無くなった。実は、真実氏のザックから、直滑降の時食料が滑り出て滝沢の滝に向かって滑り落ちてしまったらしい。総勢8人となり歓談。

【タイム】 
烏帽子岳直下6:20→頂上6:25→(ここで300m滑落(真実氏)そのため滝沢を1Kmスキーで降りた。)→カイラギ小屋8:30

5月4日 快晴 カイラギ小屋→石コロビ→カイラギ荘

予想と反して快晴。北股中腹から清十郎沢へ向かって1Kの大滑降。適当なアイスバーンで滑り心地満点。石コロビ雪渓へ向かって午前6時30分出発。上部はアイスバーンで滑りやすかったが、すぐ腐れ雪となった。門内沢出合の上部1Kの所から新雪が無くなり、滑りやすくなった。滝沢出合いまで快適な1.5Kの滑降を楽しんだ。

ここから飯豊温泉(梶川尾根出合)まではスケーティング。ここで早い昼食。またまたスケーティングと歩きを繰り返してカイラギ荘午後12時20分到着。楽しかった本スキー縦走も終わり。

さて温泉に入ろうとしたら予約が無いとダメとのことで心残りだが諦めた。その日のうちに東京へ。新潟廻りで。短い連休も終わりとなりました。

【タイム】 
カイラギ小屋6:30→滝沢出合8:30→梶川尾根出合9:25/11:10→カイラギ荘

【概念図】はこちら

(遠山 記) 

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