納会 木曽駒ケ岳・三ノ沢岳
平成31年(2019年)4月27日〜28日
納会山行報告 【全般】幹事:田中秀和 GW全班は納会山行としては少々早い時期かも知れない。温暖化の影響か年を追う毎に雪が少なくなっていると感もあり場所の選定に迷った。昨年は乗鞍だった・・、その前の月山は遠い・・、立山では大人数の宿確保が難しい・・、白馬では初心者や体力の衰えた方の参加が望めない・・、これが幹事の悩みである。 史上初?という10連休のGWという初っ端の土日ならば参加しやすいのではないか。GW前半ならば木曽駒も滑れるしアクセスも至便という幹事の勝手な判断で今回の計画とした。果たして、運良く開催日は快晴微風という天候に恵まれ、雪も申し分ないコンディションだった。 宿泊・宴会場は菅澤さん開拓の民宿“天山”、部屋・設備等は少々古いが、リーズナブルが一番。貸し切りにしてくれた女将のお婆ちゃんに文句は言えない。 宴会のみ参加という蔵田さんを交え、総勢17名で宴会開催。自己紹介から明日への期待、GW後半の計画等々話は尽ず、予定を15分超過して各自の部屋に引き上げる。特筆すべきは女性会員5名の参加、そして新会員の参加。今後が楽しみである。 以下に各班の報告を記す。 【A班 木曽駒ヶ岳】 メンバー L:田中秀和、田中健、千葉豊明、かえどん、JIMA(報告) 4月28日 (日)快晴 A班タイムスタンプ 千畳敷 8:25 乗越浄土 10:00 木曽駒ヶ岳 10:55 伊那前岳12:45 千畳敷13:10 朝一番のケーブルで千畳敷駅に到着。乗越浄土へ向かうパーティーはまだ疎らだ。A班、B班は木曽駒ヶ岳まで一緒に行動する。 アイゼン装着&シートラの準備をして、12名の大人数で乗越浄土に向かう。朝からの気温上昇で雪は適度に柔らかく、アイゼンで淡々と高度を稼ぐ。振り返るとロープウェイ乗り場から乗越浄土まで登る人の長い列が続く。 ピークでシールを装着し、一旦中岳へ向かう。中岳からの下りは岩が露出していてスキー板をシートラして下ったが、シールで滑る人、リーシュコードを首にかけて下る方、皆さんそれぞれのやり方があるみたいだ。一部凍った箇所が残っていて面倒だがアイゼンを装着した方が安心だったかも知れない。 木曽駒ヶ岳までは後一息。ピークに到着すると360度のパノラマが待ってていた。 さらに珍しい気象現象がお出迎え。虹が真っ直ぐに見える環水平アークが見られた。 B班と別れるといよいよ滑降。リーダーを先頭にまずは雪質を確認するように滑りだす。 視界良好で雪質も良い。中岳を左から巻き込み伊那前岳へ向かって登り返す。雪が緩んだ急斜面の登り返しではキックターンが決まらず苦労する人続出。さすがのリーダーは一人簡単に上りきっていた。 ドロップポイントは狭く、イヤらしい感じのトラバースのため手前で滑降準備。後続のボーダー4人パーティーが登ってきたが、お先にドロップイン。絶妙な溶け具合の雪に皆さん御満悦。なるべく上り返しが無いように、でも最大限に滑りが楽しめる様にルートをとり、千畳敷駅直下まで勢いをつけて滑り込み終了。 もう一本行きたいところだが時間不足のため断念。休憩がてら後続B班の滑りを下から観察。日だまりでノンビリしていたらロープウェイに乗り遅れてしまった。最後に皆様をお待たせしてご迷惑をおかけしましたが、天候にも恵まれ、初めての木曽駒ヶ岳を満喫することができました。リーダー、パーティーの皆様ありがとうございました。 以上 【 B班 木曽前岳】 メンバー L:ふくちゃん、加瀬、樋渡、まめやぎ、サトシン、ジン(報告) 4月28日 (日)快晴 記録:千畳敷駅08:28出発、09:32乗越浄土09:57宝剣山荘10:02天狗荘10:19中岳10:39木曽駒ヶ岳頂上山荘11:34木曽駒ヶ岳12:02頂上山荘12:34中岳13:30伊那前岳九合目ピーク13:45千畳敷駅ゴール 前日の三ノ沢岳は天候悪化のため観光ツアーとなったが、夜は全員集合し、納会宴会を経て、いよいよ28(日)朝一のケーブルで千畳敷に。快晴!思えば年末の雪上訓練で左膝靭帯損傷を負い、この納会が待ちに待った今シーズン初滑走だ。 アイゼンを装着しシートラで、AB班総勢12名は浄土乗越に向かう。高度を上げながら、テンションも上がる。振り返るとケーブル駅からの長い登山者の列ができていた。乗越浄土でスキーを履きシール装着、いよいよ山スキーらしくなってきた。 怪我で暇だった事もあり、スキーを新調していたが、自分で取り付けたVOILEのクランポンが、片方だけ板と干渉して装着不能、テスト不足が露呈。片足クランポンで中岳を目指す。軽い板とブーツのおかげで快調。 少々飛ばしすぎて息が上がるが、直後には余裕のまめやぎさんが。さすが女王陛下! 隣を見るとA班のJIMAさんが快調に飛ばしている、女性が強い! 中岳から少し下って広い斜面を木曽駒ケ岳に向かう。山頂は無風で360度の展望が広がっていた。写真を撮りまくってはしゃいでいたが、B班は木曽前岳が目的地。雪に状況を確認しに空身で頂上木曽小屋へ。雪が多ければ、200Mほどの落差とその先の沢が楽しめるハズだったが、雪着きが悪くシートラ区間が長いので断念し山頂に戻る。 いよいよ2956m木曽駒ヶ岳山頂から滑走開始、歓声をあげながら滑走し2925M中岳に登ると、駒飼の池に続く大斜面が見える。ここを滑らないと後悔する。時計と睨めっこして滑走は2790M地点までとし、想い想いのシュプールを描く。この斜面は最高に気持ちがよかった。サトシンのテレマークのロングターンが大斜面に映える。 伊那前岳九合目ピークに登り返す途中に一緒になったボーダー君もどこまでも降りて行けるので、我々の位置を確認して参考にしたようだ。そして最後の滑走は千畳敷カール。九合目ピークの少し下から、地形を確認しながらの滑走。急斜面で地形も複雑だが、リーダー判断は的確。大斜面はあっという間に終わってしまった。 駒飼の池への斜面と、三ノ沢岳には是非とも再訪したいと思います。リーダとメンバーのみなさまには大変お世話になりました。 以上 【 C班 三ノ沢岳】 ◆C班 三ノ沢岳 メンバー L:菅澤 M:今村、吉岡、藤橋 2019年4月28日(日) 快晴 8:29 2686m 千畳敷 3編成による16名の納会山行。最少4名の三ノ沢岳C班は欠席の野村リーダーに代わって菅澤さんが指揮をとることとなった。昨年、三ノ沢個人山行を企画されたので心強い。今村さん、わたしも同メンバーでありコンディションの比較も楽しみである。遠く先行するパーティーが板を担いで急坂を進むのが見える。雪は硬くない。今年はシールにクトーで登攀することとした。 稜線に向かって左斜面をリーダーは選択。遠回りとなるがYSDは速い。右斜面の先行者を遠目に見ながら、追い越していく。極楽平一番乗り。何よりこの急登を担がずクリア出来たことが嬉しい。帰還時の滑りも期待できそうだ。 9:15 2831m N35°46′.72″E137°48′.08″ 板を肩に乗せ、岩がむき出しのハイマツ帯を横切りドロップポイントへ向かう。昨年は氷化した斜面と慎重な対話が必要だったが今日は心配無用。 フォー! 一本目。三ノ沢カールまでノートラックを楽しんだ。 9:44 2568m 三ノ沢カール 夏には花で埋めつくされるカールを行く。無雪期にも訪れたいと思った。振り返ると極楽平からの滑走スロープ。 風無し、暑くなってきたがシール&クトーでペースを上げる。 11:04 2846m 三ノ沢岳山頂 ニセピークまで1時間ほどであった。板をデポし山頂までツボ足でいく。 誰もいない静かない頂で「バンザイ!」 4人でガッチリ握手した。直線の虹が空にかかっていた。「環水平アーク」という光のいたずららしい。雪山との不思議なコントラスト。私たちの目を楽しませてくれた。 さあ、滑走ポイントに向かおう。途中、滑らないよう慎重にピッケル、アンザイレンの登山グループとすれ違った。滑らせる道具を装備した私たちと対照的だ。 「スキーで来られたんですか。カッコいいですね!」 承認欲求が満たされ気分良く2本目。写真、動画の撮影をすっかり忘れてしまうくらい脳がストップする。 「贅沢な遊びです」 「まあ、生産性はないけどね。はははっ!」 リーダーもご機嫌の斜面であった。 まだ、11時50分。千畳敷集合は14時だから今日のセッションは実に速い。 これから最後の登り返し、太陽は雲に隠れない。暑さに弱いわたしにとって修行であったが極楽平までもうひとがんばりである。 12:57 2834m 極楽平 3本目。滑り出しから身体の全細胞が入れ替わり、生成される。この瞬間は「生産性」ありだと思う。そして、リーダーは圧巻の滑りで大斜面をデザインしていた。 13:17 千畳敷ホテル 全員で乾杯。お疲れ様でした! (文:吉岡) 以上 |