荒沢岳〜中ノ岳〜越後駒ケ岳縦走
2018年10月3日(水)〜6日(土)
田中(秀)、菅澤 10/3 晴れ 野田930=田中宅1110/1130=小出IC1430=銀山平1530 伝之助小屋(泊) 小出ICからシルバーライン経由で銀山平に向かう。伝之助小屋のカメムシの多い部屋で地酒を楽しんでいたら、平ケ岳ツアーの団体がバスで到着した。混まないうちにと急いで野天風呂に行ったら、積まれた岩が温まってなく冷たかった。夕食は山菜とヤマメの塩焼きで、調理に工夫をこらした山菜料理はとても美味しかった。 明日からの持参装備はコンロ・コッフェルと2人分の食材を田中さんが、2〜3人用テントを菅澤が分担することに。 車は小屋前の駐車場に置かせてもらうことにした。 10/4 曇り、ガス 荒沢岳登山口(770m)450--前山(1,090m)550-1,262m点650/655--前ー(まえぐら1,536m)830/835--荒沢岳(1,969m)1030/1050--灰吹山(1,799m)1150--灰ノ又山(1,852m)1325/1330--源蔵山(1,834m)1405--杜夢平(1,683m)1425泊 伝之助小屋から銀山平方向に5分ほどの登山口にはきれいな水洗トイレがあり、10台程度駐車できるスペースには先着車が1台。登山ポストに計画書を入れ、ヘッドランプを点けて樹林帯の急登をゆっくりと登りだした。 前ーに近づくと多くのクサリとロープ、ハシゴが設置されていて、岩は逆層ぎみで滑り易い。長い左斜上のクサリまでくると順層となるが、稜線に上がる最後のクサリ場2ピッチは垂直に近く、テン泊装備の荷物が振られてたいへんだった。この前ーまでのクサリ・ロープは合わせて100mはありそうだ。 前ーを過ぎると難しい所はないが、山頂手前のニセピークへの登りが急だった。山頂直下に一箇所、高度感一杯の岩稜登りがあったが、しっかりとクサリが張られている。これらのクサリの取り外し作業は今年は10/20〜21に予定されているとのこと。 荒沢岳山頂に到着。中ノ岳にはガスがかかってしまったが、右手に越後駒、左手には平ヶ岳の左奥に燧ケ岳の双耳峰が見えた。 灰吹山、灰ノ又山となだらかなアップダウンで、荒沢岳からはしっかりと刈払いがされていて素晴らしい草地の縦走路が続いていた。灰ノ又山の周辺斜面はどこでも滑れそうな垂涎エリアだ。 だいぶ陽が傾いたころ杜夢平に到着。一番良さそうな場所にテントを張り、「陽の水」と表示された水場に向かう。南面のロープが張られた斜面を3分(登山地図には5分と表示)ほど下った細い沢には水流がなく、仕方なく水たまりの水を汲んだ。しかし登山地図に「沢に下って60m」と表示されていたのを思い出して下流に下ってみたところ左岸から水が湧いていた。 テントに落ち着き、田中さんの作る料理を美味しくいただく。持参したお酒もおいしく無くなる。 この日は風が強く上空はゴウゴウと唸っていたが、テントを張った一角は高さが2mほどの密生した笹薮が切り払われた場所で、風の影響を全く受けずにすんだ。気温も高く、快適な晩だった。下山してから知ったのだが、この日は台風25号が日本海を北上しつつあり、これに向かって吹き込む南風の影響を受けたものと思われる。 なお杜夢平のトイレエリアは指定されていて、埋め戻し用のスコップが置かれていた。 10/5 高曇り 杜夢平(1,683m)530--巻倉山(1,758m)550--兎岳(1,925m)735/740--小兎岳(1,858m)820--鞍部(1,730m)920/930? 九合目(池ノ段2,005m)1025--中ノ岳(2,085m)1055/1100--中ノ岳避難小屋(2,070m)1105/1130--四合目(1,901m)1205-?檜廊下(1,866m)1255--天狗平(1,729m)1415/1430--越後駒ケ岳(2,003m)1545/1600--駒ノ小屋(1,890m)1620 ポタージュスープと餅の朝食を済ませ、テントを撤収。上空の風のせいか、夜露に濡れていなかったので収納が楽で助かった。元々、出発前の予報で昨日の午後と今日の午前は雨を覚悟していたのだが降られずに済み大助かりだ。 見事な黄葉のなかに目標の中ノ岳がドーンと姿を現した。圧倒的な岩壁帯と沢の残雪が印象的だ。これから目指す兎岳が正面に、その左には大水上山から丹後山の山なみが連なる。そこから先の稜線に南西からの滝雲がかかっていて、流れ落ちる様は見飽きない。 巻倉山から一度下って兎岳まで登り返す道も気持ちの良い縦走路でキレイに刈払されている。振り返ると左右に岩稜を従えた鋭角の荒沢岳が居る。 兎岳山頂は風が強く、写真だけ撮って小兎岳へ向かい風の弱い登山道で小休止。鞍部(1,730m)から中ノ岳への登りは特に紅葉が見事だったが、地形図にあらわれないニセピークが多くて「まだかよー」と何度も思った。 八角形の方位板のある中ノ岳山頂は残念ながらガスに包まれて眺望は得られず、すぐ下の中ノ岳避難小屋へ向かう。 避難小屋で大休止。裏手には黄色のポリの天水桶があって800?ほど溜まっていた。天水桶は10/7に撤去され、小屋の雪囲いも完了したと下山後に聞いた。 避難小屋を出てすぐ八海山へ向かうルートを左に分け右手の越後駒ケ岳方向に進み檜廊下の手前、雪渓の残る北ノ又川の上流部を右下に見る地点でしばし足休めをしてから檜廊下に向かう。 檜廊下は木の枝と根が絡みついたヤセ尾根がアップダウンしている場所だが、予想していたよりは時間がかからなかった。天狗平から左手にグシガハナの稜線が望め、その側稜に急峻な谷が突き上げている。 水無川から登ってくるグシガハナコースと合流後、木道を少し登って駒ケ岳山頂到着。夕暮れの山頂には猿田彦の石像と単独行の人が一人。歩いてきた荒沢岳、兎岳、中ノ岳から八海山、守門、浅草、未丈ケ岳など360度の展望が得られた。昨日の荒沢岳からここまで出会った登山者はなし。 駒ノ小屋に着いてみると管理人は不在で、楽しみにしていた缶ビールは泡と消えた。小屋脇でのテン泊も考えたがせっかくの避難小屋なので協力金2000円/1人を缶に入れて1Fにスペースを占める。他の宿泊者は私たちの向かいのペアと2Fに男性1名のみで、外にテント3張り。 小屋の北側の斜面を3分ほど下るとオツルミズ沢の源頭部で、豊富な水量で体も拭くことができた。 今日も田中さんに食当をお願いして申し訳ない。ソーセージのソテーに始まり、田中さんが直々にブレンドしたマッカランに舌つづみ。 小屋のトイレは入口ドアが壊れていて、外の窓から脚立を使っての出入りを強いられ危険だった。夜半には強風となり小屋泊は正解だった、 10/6 快晴 駒ノ小屋(1,890m)545--前駒(1,763m)610--百草ノ池(1,536m)630/635--小倉山(1,378m)715--道行山(1,298m)810/820-?柳沢出合(823m)--柳沢・骨投沢中間点930/945--石抱橋(770m)1025--伝之助小屋1040/1115?帰京 駒ノ小屋から前駒への岩場を下り、百草ノ池に着くと池は立ち入り禁止になっていた。はるか右下には北ノ又川沿いにログハウス群の屋根が見えてきた。枝折峠への道を左に分け、藪の道を道行山山頂に登る。山頂からは正面に守門、未丈岳、右手に荒沢岳、さらに振り向くと兎、中ノ岳、越後駒ケ岳と続く展望が素晴らしい。 道行山山頂から柳沢の林道出合までの樹林帯は崩壊ケ所や倒木もあって歩きにくい道となっていた。 柳沢林道に降りてから少し歩くと山側から湧き水があり、小休止。林道は白沢の流れにえぐられたのか、人一人が通れる幅しかない箇所もあって不通になっていた。R352の舗装路を石抱橋まで歩き、振り返ると中ノ岳と越後駒ケ岳が遠くに見えた。小屋の水車が見えたと思う間もなく伝之助小屋到着、お風呂をごちそうになれてよかった。 田中さんとは「花か紅葉の時期に行きたい」と話していましたが、素晴らしい紅葉と端正な鋭鋒・荒沢岳、圧倒的な存在感を示す中ノ岳と越後駒を堪能することができました。変化に富んだすばらしいコースで、達成感一杯の山行でした。登山道を整備していただいている地元の奥只見山岳会ほかの方々には感謝です。 同行の田中秀和さんの感想: @久し振りのテント泊装備での鎖場連続はきつかった! A杜夢平の快適なテント泊 B中ノ岳の南東面の岩壁は圧巻、標高1,100mしかない滝沢の残雪に感動 C道行山〜銀山平の登山道荒廃が残念 (文責:菅澤) |