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巻 機 山 (井戸尾根)

2017年8月04日(金)

(単独)田中秀

 迷走台風5号の影響もあって7月下旬から関東や中部では天気の悪い状態が続いている。その中で新潟方面だけは晴天が多い様だ。残雪の涼と花を期待して巻機山に出かけた。

 先月の苗場山では、前日の雨による落石で林道の通行不能というトラブルに遭遇したので今回は前日に登山口入りすることにした。19時前に水道、トイレに近い桜坂の第4駐車場に車を駐める。既に同類と思しき車5〜6台が先着していた。

 4日朝、若干雲が流れるが久々に青空を見る。天狗岩と残雪豊かな割引沢が見える駐車場には出発準備の間に5〜6台の車が到着、花の百名山の人気が窺える。ほぼ予定通りに出発、道は黄褐色の粘土質の地山が剥き出しになり、ステップが刻まれている箇所が多い。滑りやすそうだが、こちらでは暫く雨が無かったことが救いである。

 六合目で天狗岩〜ヌクビ沢の展望が開ける。ヌクビ沢はミツクラ沢出合の先からスノーブリッジの残骸が見え、その上の標高1450m付近からは谷は雪で埋まっているように見える。想像通り残雪は多く、適期は下旬以降か。それにしても風が弱いのと湿気のためか暑い。強い陽射しに晒されるが少し風の通る七合目で大休止。歩き始めて2時間、早くも水0.5L消費である。残念ながら上越国境方面のスカイラインは雲で遮られて山名同定は出来ず、直近の大源太山の鋭峰が確認できただけだった。

 低灌木帯が草原に代わり八合目、更に一登りして前(ニセ)巻機山に着く。白い雪田を散りばめた米子沢源頭、巻機山の穏やかな草原がガスの晴れ間に見え隠れする。一旦、黄色いキンコウカの大群落の中に整備された木道を下り、鞍部に立つ立派な避難小屋を左に見て幾つかの池塘の間を登る。この辺りはニッコウキスゲが多いがハクサンシャクナゲの開花は一枝だけだった。予定より早く巻機山山頂の標識が立つ御機屋に着くもガスは綺麗に晴れない。割引岳往復は割愛し、主稜線の分岐点まで散歩する。

 10分足らずで最高点らしきケルンに、更に池塘群の中を東進して主稜線分岐点のベンチで大休止。脇には色が赤紫で少々風変わりなヒオウギアヤメが凜と一輪、周りをワタスゲ、タテヤマリンドウ、イワイチョウが囲む。展望が無いときは花に慰められる。

 6月に患った腰の痛みも感じず登れたが下りは不安、すれ違う多くの人と話を交わしながらゆっくり下山。挨拶代わりの話では、他の山が天気悪いのでここに来たという人が多かった。六合目で足休め、ここまでで水は1.5L消費、とにかく暑い。登りで気になった粘土質の道も尻餅を着くこと無く下れ、先ずは膝・腰共に順調であった。

 駐車場の気温は31℃、水場で頭から水を被って汗を流すが直ぐに汗は吹き出す。ビーチパラソルの下で団扇を仰ぐ管理人さんに駐車料500円を支払い帰途につく。

<タイム> 桜坂駐車場(三合目、738m) 5:20 >> 6:13 五合目(1,128m) 6:20 >> 6:52 六合目(1,355m) >> 7:27 七合目(1,564m) 7:36 >> 8:22 前巻機山(1,861m) 8:29 >> 9:00 御機屋 9:08 >> 9:22 巻機山(県堺、主稜分岐点、1,967m)9:47 >> 10:02 御機屋 >> 10:32 前巻機山 >> 11:04 七合目 >> 11:27 六合目 11:36 >> 11:59 五合目 >> 12:45 桜坂駐車場 
<コース概念図>:省略

六合目から割引岳と天狗岩、ヌクビ沢

避難小屋付近のお花畑

大源太山

記:田中

 


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