Last Update : 2017/04/29 戻る

2017年4月定例山行 越後駒ヶ岳

2017年4月2日 快晴/無風
L:田中秀 M:岩崎、加瀬、おおちゃん、野村、菅澤の6名

宿5:30→湯之谷ゲート5:45/6:00→駐車地点(760m)6:30/6:45・・・石抱橋(775m)7:00/7:10 >> 柳沢出合(820m)8:05/8:10 >> 夏道の尾根(1,060m)8:55/9:00 >> 道行山山頂下(1,290m)9:40/9:50〜 >> 小倉山の肩(1,360m)10:30/10:40 >> 百草ノ池(1,580m)11:15/11:30  >> 駒ノ小屋(1,885m)12:30/ 12:45 >> 越後駒ヶ岳(2,003m)13:00/13:10〜〜駒ノ小屋13:20/13:40〜〜百草ノ池〜〜 小倉山の肩14:05/ 14:15 >> 道行山(1,298m) 14:30/ 14:40〜〜1250m地点から柳沢〜〜1050m地点 >> 1210m地点16:00/ 16:20〜〜1100mクラック下16:25/ 16:40〜〜夏道940mから柳沢支沢〜〜柳沢出合(820m)17:00〜〜 石抱橋17:40・・・駐車地点17:50/17:55→銀山 平ゲート→小出IC→帰京 

 前日は17:30に折立温泉「やまきや旅館」に集合し、ハーブ酒(?)などで英気を養う。

 3/18にオープンした奥只見シルバーラインはこの時期18時〜06時の間が夜間通行止めになっている。駐車スペース確保のため早めにゲートに行ったがすでに8台並んでいた。でも1台を除いて地元ナンバーばかりなので「丸山スキー場の関係者だろう」と考えたが甘かったことが後にわかる。遥か彼方の雲の切れ目に越後駒が頂をのぞかせている。

 ゲートオープン後、トンネルばかりの道を走り、銀山平ゲートから石抱橋へ向ったが、橋近くの駐車可能場所は先着車で占められてしまっていて、スペースを探しながら700mほど戻って路駐。スタートから30分遅れとなってしまう。両側の雪壁の高さは4〜5mぐらいあり、さすが豪雪地帯だ。本日の入山者は15名ほどか。

 石抱橋をスタートして左手に荒沢岳、正面に白く輝く駒ケ岳〜中ノ岳の稜線を眺めつつ「遠いナー」と思いながらシールで林道を進む。左下に流れる北ノ又川の対岸にはキャビン風の建物が何棟も立ち並んでいる。 すっかり埋まっている骨投沢をこえ、柳沢出合で一息入れる。柳沢の源頭部にはクラックが入っているのが確認できた。 柳沢に入って左手二本目の支尾根を登り、道行山から南東に派生している夏道尾根(道行新道)1060m地点に出た。 1100m付近のクラックは左手を捲いたが、おおちゃんは正面を突破して行く。

 道行山の山頂下で一休み。越後駒山頂はまだまだ遠い。道行山頂からシールのまま60mほど下り、小倉山の左側を捲いて肩に出た。百草ノ池からはクトーを装着して前駒(1,763m)の急斜面を登り、鉄塔が見えてまもなく駒の小屋に到着。

 寒気が入るとの予報に反して気温が高く、大汗を絞る。白沢を登ってきた単独のボーダーに聞いてみると、「滝が一箇所出ていて高捲きしたが、あとは問題ない」とのこと。

 クトーを外し、ザックをデポして東側から山頂へ向う。標柱の頭だけをのぞかせている山頂には7〜8名が憩っていた。スタートは遅れたものの予定所要時間よりは早く到着できた。この時だけ運悪くガスにまかれて展望が閉ざされてしまい、楽しみにしていたオツルミズ沢源頭部の様子は確認できなかった。

 山頂から駒ノ小屋まで一滑りして大休止。田中リーダー持参のリンゴが美味かった。小屋は一階部分まで雪があるが出入りはできるようだ。

 駒の小屋から前駒の斜面を快適に滑る。百草ノ池から白沢へ降りて行くボーダー二人を見送りながら、滑り込みたい欲求に駆られた。1459Pから仰ぎ見る駒ヶ岳は2000mちょっとの山とは思えない雄大さで、斜光を浴びて白く光っている迫力に感動すら覚えた。

 小倉山まで馬ノ背状の尾根を滑り、道行山へはシールを付けて登り返して小休止。

 夏道尾根の1250mから柳沢を滑ることにして田中リーダーと偵察に降りてみた。1145mまで下ると沢芯が割れているのが見えたので、そのまま下るのは諦め右岸を1050mまで斜降した。急な疎林帯で20cm下の弱層を踏み割ってしまい、ザクザクの雪が幅7mほどすっぱりと雪崩れた。先行していた田中リーダーも沢に降りたところで足元が崩れて倒れかかったが、そのまま対岸に駆け上がっていった。全員が通過するには危険と判断して、後続メンバーには現在地点から登り返してもらう。

 悪い足場でシールを貼り、夏道尾根1210m地点へ登り返した時はすでに16時、下山予定時刻を過ぎていた。シルバーラインが18時にクローズされるので時間が気になる。1100mのクラック下まで滑り降り、つぼ足で登り返した田中リーダーと合流。クラックは登った時よりさらに開いていて、1〜2日でシートラを強いられるだろう。

 夏道940mから柳沢の支沢へ滑り込み、柳沢出合には17時到着。出合から林道を漕ぎ、石抱橋からスキーを担いで車にたどり着いたのが17:50。装備をそのまま車に放り込んでスタート。ゲートにはバーと看板が立ててあるだけで難なく通過できた。柳沢以外の雪のコンデションはこの時期としては良好で、天候に恵まれ記憶に残る11時間行動だった。

菅澤記

越後駒ヶ岳/写真集

以下は参加各氏の感想です。

田中秀リーダー
 先ず、石抱橋の大分手前に駐車せざるを得なかったのですが、予定時間内に全員が登頂できたことに満足しています。
天気とメンバーに恵まれた故と感謝しています。
帰路の越後の雪山を眺めながらの尾根筋滑降も豪快で気分爽快でした。
大きな斜面を下り振り返る毎に仰ぐ越後駒は2,000m峰とは思えない迫力があり、来て良かったと感動しました。
ルートとしては、昨秋歩いた夏道尾根の藪っぽさが気になり柳沢を代案として考えていました。
今期は積雪も十分にあり藪も問題無かったのですが、帰路は登りに遭遇したクラック斜面を回避したいと柳沢に突っ込みました。しかし、結果として各位に登り返しを強いることになってしまい、“安易に沢に入ってはいけない”の鉄則を犯した罰だと反省しております。

岩崎さん
 越後駒ヶ岳はガイドツアーで担当し、おもに秋ですが枝折峠から何度も往復した山です。
ただ積雪期には一度も登っておらず、一度山スキーで行ってみたいと思っていた憧れのルートでした。
まず前泊した折立温泉の「やまきや旅館」は、お手頃な値段で充実した夕食内容でした。この日は移動日で山の話に盛 り上がって楽しい夕食会となりました。
翌日は好天に恵まれました。6時のゲート待ちの車の多かったこと。山スキーとボーダーが半々ぐらいでしたが、我々も頑張ろうという気になりました。それにしても出発点の石抱橋から見た駒ヶ岳は遠かったです。
心配した尾根上までの登路ですね、道行山を経由して小倉山まで予定の時間に着き、風も弱く、なんとか山頂まで登れそうだと期待が高まりました。結局アイゼンに履き替えることなく、シールで山頂まで登れましたが、この事が当日の好条件を物語っていると思います。
下りは雄大な展望の中、まさに爽快な滑りでした。ただ道行山からの下りは、登りにあった尾根上の雪の亀裂を避けるため、登路より手前の尾根を柳沢に滑りこめると思ったのですが行きづまってしまい、ルート取りの難しさを感じました。ここまで順調だったのですが、最後はゲートの閉まる18時ギリギリになってしまいました。
今回、道行山に登らず白沢を直接つめているボーダーがいました。次回チャンスがあったら白沢の大斜面を滑ってみたいと思いました。3月のシッケイ沢に続き、リーダーの田中さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

加瀬さん
 以前からよく言われていますが山の荒天or好天では天地の差があり、全く別の山となってしまうと言われています。その点今回の越後駒ヶ岳はまさに天国でした。
私にとって懐かしの荒沢岳を左手に銀山平温泉の橋を渡って、北ノ又川沿いの柳沢出会いまでのアクセスは所々に雪の崩落があり、緩んだ気温による帰路の雪崩が心配でした。それはともかく、仰ぎ見る駒の山頂の本当に遠いこと!
今回、体力に自信が無かったので正直、山頂まで行けるのか不安に駆られながらの登行となりました。弱音を吐くわけにもいかず、歩いてさえいればそのうち着くと自分に言い聞かせながら苦闘の末、山頂に至った時は感激でした。また、駒の小屋で田中さんから戴いたリンゴをかじった味は一番の至福のひと時でした。この話を妻にしたところ、普通は少しでも荷を軽くしたいのに皆に食べさせたいという気持ちで持っていらした事に本当に感謝しなければ・・。田中秀和様ありがとう。
私は古希を迎えましたがまだまだやるぞ!と気合を入れ直しています。

おおちゃん
 最高の天気、風もなく、白い頂にテンションMAXとなりました。前泊のおかげで体調も良好でした。予報から降雪があったかと思い、ファットスキーで行きましたが、降雪なし。割と平坦な登りはスキーの重さ(188cm、センター10.8cm)も気にならず、
シールのグライドもよく、スイスイ進みます。しかし、急斜面でのキックターンはさらなる修行が必要でした。
尾根、最高のロケーション、雪も良く気持ち良く飛ばせました。その後もファットスキーは雪が悪くても気にせず行けます。
しかし、午後の最終盤はさすがに厳しかったです。
そして、ラスト、シルバーラインの閉鎖時間に急き立てられた先輩方の底力はさすが山スキーヤーでした。

野村さん
 3度目の登頂(1回は無雪期)になります。調べたところ、前回は19年前でした。時期もほぼ同じ4月5日でした。
その時の記録(もちろん記憶も)は、残念ながら残っていません。
今回は道行山に登る尾根の上部に亀裂があり、通過に手間取りました。
道路開通から間のない時期なので、シーズンの限られるコースだと思います。
天候はほぼ申し分なく、越後駒ヶ岳の雄大な山容をたっぷりと望むことができました。
また、驚いたことに、計20人ほどが登っていました。山スキー人口の増加は喜ばしいことだと思います。

 


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