ノートレースの山、2/23 羊蹄京極コース(1240m迄)
2020.02.23
■報告者名 立田
■山域、山名 羊蹄山
■メンバー 立田、おおちゃん


京極山荘の窓から・・雪原を行く2人・・

漆黒の樹林帯、ノートレースの山をシールを効かせて登る
ヘッデンの灯りが雪面に映え、仲間の灯りが心強い
ノートレースの山はラッセル、ルーファイの労苦は少々あるが、
雪煙を上げる滑降への期待、高揚感がそんなもの吹き飛ばしてくれる
自らの足で標高差1000m以上登り、滑降することにまだ執着したい
大勢の人で賑わう山より静かな山が良い
山深く、懐深く、大きな山、メンバー個々が思い思いのシュプールを描ける山が良い

そんな思いにぴったり合い、毎年必ず通うのが平湯周辺、羊蹄山、蓮華温泉
山スキー100山の過半は既知の山、ルートとなったが、その余白を塗りつぶしていくより、
面白い山は何回通っても面白いと思うようになった
もちろん行きたい山スキー未知の山もたくさんあり、必ずや行くのだろうけど、
脳髄と体に面白さが染み込んだ山々を欠かすことは出来ない

今年の羊蹄合宿は初日(墓地の沢)こそ、大勢の外人部隊に抜き去られつつ先行トレースを辿ったが、
他の3日間はノートレースの山、内2日間は山中で行き交う人も全く無く、
存分に羊蹄山を楽しめ大満足、やはり羊蹄合宿は欠かせない。
さて、御託はこれくらいにして担当である2/23 羊蹄山京極コース(1240m迄)へ

■コースタイム
2020/2/23 風雪 京極山荘430m 7:10発  京極コース1240m迄 10:00-12 山荘10:55
羊蹄合宿3日目は天気予報通り、風雪となった。夜半はゴーゴーと音が響き、風も吹き荒れた。
今年も札幌山の会の川竹氏にお世話になり、快適な京極山荘に3泊させて頂いたが
氏によると荒れる時は山荘の窓から雪原の向こうの林すら見えないこともあるとのこと。
2/23 風雪見込みに挫けて遅い起床、相変わらず意志薄弱、情けない。
だが起きてみれば、風が少々強いくらい、視界も十分ある、森林限界までならノープロブレム。
条件としては悪くないが、風雪を突いて京極ルートに向かったのはおおちゃんと私だけ。
いざ出てみれば平原となっている山荘のあたりは風の通り道なのか、強風だったが、樹林帯に
入れば心地よいそよ風だった。
ラッセルもプチラッセル程度、足元はこの時期本来の羊蹄山ならではのパウダーであり、心は踊る。
標高1000mくらいから疎林となり、徐々に森林限界を抜けて行く。
さすがにここまで上がってくると風雪が容赦無く体を叩く。
それまでは不十分ながらもラッセル交代しながら進んだのだが、いよいよ佳境を迎え
スィッチが入ると、ずっとおおちゃん先行となる。
私のギブアップ投了の声が吹雪にかき消され、届くか届かないかのビミョーな距離を空け、
おおちゃんが先を行く、いつものパターン。
森林限界ラインを超えるとさらに風雪は激しさを増し、視界不良、いよいよ地獄の1丁目へ突入。
1240m、おおちゃんが立ち止まった。
「もういいんじゃない?」と声を掛けるとあっさりと
「そうですね、視界も効かないし」
「あと・・・まで」との押し問答を想定していたが、無論、ウェルカム。
そうなればモタモタなんかしていられない、すぐさま滑降態勢にチェンジ。



視界不良といってもホワイトアウトでは無い、雪面は見える、何よりも足元は極上パウダー。
そこからの滑降は文字通り、雪煙が舞い上がり、浮遊感も味わえる素晴らしい滑降だった。
京極山荘の玄関から天候に関わらずこの素晴らしいショートトリップを楽しめる、
やっぱ最高の環境だな、来なかった人はもったいないことをしたなぁ!
樹林帯もさくさくと快適に滑走し、あっという間に40分、至福のパウダー滑降終了。
川竹夫妻に暖かい京極山荘に迎え入れていただき、体中が凍っていることに気づく、
体を温めながら感謝感激、ありがとうございました!


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