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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

☆★ 痛快 視劇的 HELI SKIING ★☆

カナダ ヘリスキー CMHカリブース                

                  1985年12月27日〜1986年1月7日 
    メンバー:小森宮秀昭・遠山友樹・菅沼博・今野桂子・蔵田道子・手塚紀恵子 


 ヘリスキーはスゴク体力が必要だという先入観があり少し心配があったが、体力がある人もそうでない人もそれなりに楽しむことができたようだ。ゲレンデスキーと違ってただただ滑るだけとはいうものの、粉雪と全身の力でぶつかりあう訳で滑りおりた時には全身がヘトヘトになってしまう。まさに人間と雪の壮絶な戦いがそこにはあった。  
 カナディアンロッキー周辺にはヘリスキーを始めとしてスノーキャットスキー、スキーマウンテニアリング等の、ゲレンデの外で行うスキーをガイドする会社が数多くある。ヘリスキーだけでも10社以上あるようだ。中でもヘリスキーは短時間の内にあちこちのピークに登れ、いい条件のうちにパウダースノーの豪快さ、アスピリンスノーの快適さが満喫できるという訳だ。ほとんどの会社は5日、7日といった食事、宿泊等を含めたパッケージツアーとしてガイドのサービスを行っている。             
 中でもCMH(カナディアンマウンテンホリデーズ)は一番広い面積をカバーしている。最近は日本語のガイド映画も作っており、日本にも大分力を入れているらしい。さらにCMHは7つものエリアでヘリスキーを実施している。そのうち自前のロッヂを3つも持っている。それは、CARIBOOS、BUGABOOS、BOBBIE BURNSの3ヵ所で、ロッヂへはヘリを利用するので、ヘリスキーヤーだけの1週間を満喫することができる。ロッヂはアットホームな感じで、スタッフも皆親切だった。
 他の会社へは問い合わせていないので実際の所は不明だが、料金はほぼ同程度といったところだろう。CMHは規模が大きくキャパシティーも大きいので、日本からも比較的参加しやすいのだろうと思う。
 僕達は10月初旬に最初の問い合わせを行った。コトバの問題と時間的な理由から、全ての手続きはアルパインツアーサービスを通じて行った。手数料は若干かかるが大変助かった。BOBBIE BURNS、BUGABOOS、CARIBOOS、MONASHEESの順で希望をだしたのだが、予約が混んでいたらしくなかなか返事がこなかった。催促のテレックスを3回ばかり打ってもらった。行って分かったのだが参加者にはリピーターが多く帰るときに予約金$200を払って次回の予約を済ませてしまうとのことだった。従って年末など休み易い時期は早くから予約が一杯になってしまうらしい。
 簡単なガイドブックはカナダ大使館で入手できる。本格的な案内書があるのはCMHだけで、他の会社へは現地へ請求することになる。
 注意しなければならないことは、ツアー料金が前払いということだ。料金が完全に支払われた時点が正式な予約完了ということらしい。従って行きの飛行機の予約ができなかったり、出発当日の便がキャンセルになったりした場合、返金されないと思う。但しこれには保険がある。

☆★ ヘリスキーの1週間 ★☆             

12月27日 成田−バンクーバー−キャルガリー
 キャルガリー到着。一部の荷物が出てこない。団体ツアーの係員の説明を横から聞くと次の便で来るらしい。事情のわからない異国で約1時間待たされてしまった。荷物到着後すぐ空港隣のシャトーエアポートホテルにチェックインする。カウンター前のMiss.リンダに到着を知らせる。ここで彼女の話す英語と僕達の話すニホンゴとで意志の疎通を欠いたようだが、なんとか荷物の行先札をもらい、翌日の出発時間を知らされる。キャリブーは7時集合、7時30分出発だ。

12月28日 キャルガリー−CARIBOOSロッヂ 
 7時ロビーに集合し、バスに乗る。荷物はタッグ通りにホテルのボーイがバスに積んでくれる。お客様は乗るだけという訳だ。バスの前の方は禁煙席。ここは煙草嫌いのアメリカ人がいち早く席を取っており、後から乗った僕達は後ろの席に座る。横3列X縦8列で24人が定員のデラックスバスだ。後ろに冷蔵庫とポットがあり飲み放題のようだった。もちろんトイレがあり、途中はほとんど止らず、ただひたすらブッ飛ばしているといった感じだ。
 途中のBANFFでCMHに寄り、今回は特別に日本語が話せる名ガイドが乗ることになったMr.GREG YAVORSKYで、海洋博の時カナダ館にいたとのことだ。僕達は知らなかったが、これはMissリンダのはからいのようだった。彼はニホンゴは大分知っているようだった。お客の中にもニホンゴがペラペラの人がいて、これからどうなるか心配していたのでみんなほっと胸をなでおろした。これで安心。ベイルモントのヘリパッド着14時、キャリブーロッヂはここからヘリで5分位の所にあった。デラックスということでシャワー付きの部屋だったが、少し狭かった。立派なサウナとシャワールームがあるので僕は1回も部屋のシャワーは使わなかった。

12月29日 
 朝食後、スキャディの操作練習を行う。11時過ぎに第1グループが飛立つ。いよいよヘリスキーだ。ランチは3グループまとまって外で食べる。大きいサンドイッチがおいしかった。行動食よりずっと豪華だ。デザートの果物もあるがあまり人気がない。この日は5コース3000m程滑った。

12月30日〜1月3日
 午前8時に朝食、9時第1グループテイクオフというのが1日の始まりだ。晴天の日はランチは屋外で、荒天の時はロッヂで食べる。ロッヂの方がバラエティに富んでいておいしい。午前4〜5回、午後4〜5回滑降し、午後3時〜4時にロッヂに戻る。1日6000m〜9000m滑降できる。(単位:標高差)

1月4日 最終日
 午前中に何と7回も滑ってしまった。12時頃ロッヂへ帰りランチを食べる。ランチの間に距離を計算しているらしい。ボケッとしているといつまでたっても請求書らしきものを配ってくれない。聞いてみるとオフィスに入ってマネージャーのMr.エルンストに、一人ずつ支払いを済ませ、握手を交わして帰るらしい。すると計算書をくれ、その中にバーやスキーショップの利用額が合算されている。帰りも来た時と同様ヘリでバスが待っている駐車場へ行き、3時過ぎにキャルガリーに向けて出発する。 予定では22時30分に到着の筈が21時少し前に着いてしまった。帰りはBANFFにも寄らず、ただブッ飛ばすという感じだった。この間ドライバーは一度もハンドルを離さなかった。土曜日だがMiss.リンダはホテルにはいなかった。従ってお礼をすることができなかった。

                                  (菅沼記) 
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