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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

山の逸品                  

                              伊藤碩志
              
  長い事愛用してきた物で、これは良かったと思うものを二つばかりあげてみたいと思う。
 初めに、ローバーの靴チベッタ
 まだ山とか、その道具の事がよくわからない頃だった。フラッと入ったバーゲンの店で、四割引ぐらいでずいぶん得な買物だ、と思ってたら後がまたよくて、当たるとこがないからマメが出来ない、うんと油を塗ってあるので柔らかいから踏み込みが楽で歩き易い、この靴とワイヤーのビンディングで、尾瀬ケ原みたいに平らなとこを歩いたら雲に乗ってるみたいな気がするだろう。
 だけど岩登りでは駄目だった。ブカブカでフニャフニャのためどうしても立てないスタンスがあった。

 次は、レビュファのシャツ、もちろん日本製だけどこれもよかった、夏涼しく、冬温かいはちょっと褒め過ぎかな。でも一年中山行に使ってる。チョゴリザのバーゲンだったボタンが大きく、手がかじかんでる時なんかもやりやすく面白いのは汗をかくと表に出て水玉になってる。作りがほそみなのでヤセッポチにむいてる。難をいえばポケットがちいさいのと雨ぶたの無い事ぐらいかな。
 今後メーカーはこういう物は作らなくなると思う。長いこと着てるけど糸一本ほつれてこない。これじゃ新しいのが売れる筈がない。早くかってて良かった。 
 見た時買わずに後で、売り切れたりで悔しがる事もある。それだから衝動買いになるのかな?失敗するのに。
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