ラ・ネージュ山スキー記録集III発行日 1989年12月25日 |
北ア南部 大喰岳より槍沢へ滑降 1984年4月29日〜5月4日 遠山友樹 単独 今回は天候のせいもあるが、気分的にくじけて槍平ベースに終始した。しかし大喰山頂からの滑りは楽しめたので、一応満足であった。 4月29日 晴れ 28日夜行の20:53発の急行「能登」へ乗るべく上野へ着いたら、元同志会メンバーの橋爪氏とバッタリ。新穂高温泉までは同じコースということなので、タクシーにも便乗することにする。橋爪氏はといえば筆者とは大違いで両手に花ときているではないか。こちらは寂しく単独行。 列車の乗り継ぎもスムーズにいき、7:30に新穂高を出発。天気は上々、一時間歩いた所(林道が沢から離れる所)から雪が始まる。例の遠山式手拭い仮面を取り出し、板を引きずることにする。本来の林道は沢を離れるのだが、沢ぞいの雪の上を進む。ところがしばらく行くと堰堤の所で沢そのものへ入らなければならなくなり、かなり急な斜面を林道のありそうな方向へシールで登り返すはめになった。 白出小屋の手前の橋までは林道(除雪済み)を歩かず、林道下斜面の雪の上を進んだ。その橋から上は除雪してないので、林道を行く。白出沢出合を少し過ぎて、しばらく行くと沢そのものに入ることができた。ところがすぐにデブリが現われた。 滝谷出合を通過して、南沢出合の少し下(標高1900m付近)まではデブリの山に泣かされた。一週間分の食料とテントが肩にこたえる。南沢の所で林が現われ、そこが槍平小屋であった。14:10着。着くとすぐ曇りだした。 4月30日 晴れのち曇りのちガス 前日の夕方天気がくずれる気配だったので、あまり期待せずに4:00起床。ところが晴れ。気がはやるのを押さえて、5:40に出発。アイゼンが良くきく。去年眺めた斜面を今度は滑れるのかと思うとピッチは上がる。テントは当然、槍平に立てたまま。約3時間でコル(飛騨沢)に着いた時は残念ながら既に曇ってしまっていた。 大喰岳ははたして滑れるだろうかと、少し躊躇した後、斜面を見るだけでも見ようと大喰山頂へ向かう。山頂へ着いて感激、雪の状態も斜度も申し分ない。去年の槍沢本流よりもすばらしい。あっという間に槍沢へ到着。約15分位。 残念ながら標高が下がるに従って雪がくさってくるのはしかたがない。いやな登りが始まる。歩いてガマン。2時間で槍の肩着。飛騨沢の1100mと槍沢の700mで富士山の1400mより少し多く登ったことになる。 飛騨沢のコルを12:30に出発。雪は滑るのに最適(但し2500m以上)で快調に飛ばして、約25分でテント着。 (遠山記) 【コースタイム】 4/28 上野発 20:53 4/29 新穂高温泉 7:30 槍平テント設営 14:10 4/30 テント発 5:40 −> 飛騨沢コル 8:50 −> 大喰岳 10:00 −> 槍沢出合 10:15 −> 槍ケ岳肩 12:15 −> 飛騨沢コル 12:30 −> 槍平 12:55 5/1 5/2 5/3 槍平 11:00 −> 新穂高温泉 14:00 【概念図】 ![]() |