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      Nov 1, 1997
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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

谷川岳   

谷川連峰/天神尾根より西黒沢本谷滑降                
                           1988年4月16日 
                         L岡坂 準一、西川 克之 

4月16日 曇り後晴
 上越新幹線の始発で上野をたつ。天気予報どおり見事な快晴である。ところが一眠りして上毛高原に近づくとやたら雲が多い。前夜水上泊で車で出迎えてくれた岡坂氏は5時半に起きると大雨だったので中止の電話を入れたが、すでに出発した後だったそうだ。山に向かうにつれさらに雲行きはあやしい。土合口に着きこれでは予定の芝倉沢はおろか谷川岳もどうかと思われるが、とりあえず行ける所までとロープウェイに乗った。
 高倉山リフトをおり稜線をすべって天神尾根の最低鞍部でシールを着けた。快調なペースで進むが、風が強く雪つぶてがほおに痛い。最後の露岩で一休み、上部はザラメになりかけた小氷でところどころ新雪がまだらにふきだまっている。谷川岳頂上に着き、天気は上り坂だが、稜線上はまだ不安定なので芝倉沢はやめて、今の雪なら大丈夫と考えて西黒沢をすべることにした。
 肩の広場の下は快適な大斜面だった。天神尾根に沿って左の沢状を下ってから左へ向かって西黒沢本谷の落ち口の上に行く。はるか下まで急斜面が落ちこんでいる。
ルートを再確認し突っ込む。岡坂氏は順調にプロペラターンで下り、私は柔らかい部分をさがしてごまかしながら下る。やっとの思いで熊穴沢との合流点との手前まで来ると出合の直前のデブリとシュルンドが特にすさまじい。それをのりこえ熊穴沢に入れば一安心、改めて西黒沢本谷を見上げると、どこをすべってきたのかと思うほど無残な雪崩の爪跡ばかりである。 
 この先は広い斜面をゆうゆうとすべって、雪も最後まで続いていてスムーズに土合口に着いた。まだ昼前だった。
 なお西黒沢本谷は雪崩の巣なので、滑降するにはよほど条件を見定めてとびこみスピーディーに通過することが必要だろう。今回は無事に下りたが、普通の場合はやはり危険性非常に大と考えられ、一般にはすすめられない。

                                (西川記) 

【コースタイム】
天神尾根最低鞍部 9:35 −> 最後の露岩 10:30/10:40 −> 
谷川岳 11:00/11:15 −> 土合口11:55           


【概念図】 
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