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ラ・ネージュ山スキー記録集III 


  発行日 1989年12月25日

羊蹄山                     

北海道 / 真狩側大斜面                          
                            1988年5月4日 
                      L:柴崎松夫、佐藤晶彦、菅沼博 

5月4日 ガス                                
 お世話になったニセコ駅前の民宿のご主人のタクシーで、久し振りに道新自然の家の駐車場に立つ。今朝の小雨が止んだばかりで、空模様は芳しくない。ここの標高は360m、山頂が1,893m、何とこの羊蹄山は1,500mもの標高差があるのだ。数年前の正月、駐車場をベースにして、何と浅はかにも日帰りでラッセルの真狩側大斜面を往復しようとして失敗したはずだった。           
 駐車場からシールが使える。下部は若干ヤブが目立つものの、正月と比べれば比較にならない快調さで登れる。途中先行パーティーに”エル特急のようだ”と言われてしまう程、快調なピッチで汗をかく。少し長いワンピッチで1,000mテラスに登る。ここから右へトラバースし、尾根状を越え、大斜面の下端に出る。あいにくのガスで大斜面の全容は見えないが、実は標高差600m以上の無木立大斜面なのだ。だんだん傾斜が強くなりトラーゲンしアイゼンで登る。途中単独の下山者とすれ違う。スキーではなく、シリセードで下ったりしている。 
 上部は非常に急で平坦な場所がなく、滑落したらイヤだなーと思いながら登る。1,600mの大岩上のポイントで休んでから山頂へ登る。最後はスキーをかついで真狩側頂上へ登る。運が良ければお釜の中を滑ろうなどと思っていた訳だが、ガスで何も見えない。なす術もなく最高点を往復する。片道1キロ程だが意外と時間がかかった。 
 1,880m付近の雪がある所まで下り、佐藤君がトップでガスの急斜面の滑降を始める。晴天だったら足元の下1,000m以上の急斜面が続くのだが、幸い(?)にもガスなので高度感に悩まされることはない。すぐに見えなくなってしまうので声をかけながら、小さくピッチを区切って滑る。ガスのため途中のトラバース地点を過ぎて下ってしまい、1,000mテラスへは戻れなかった。 
 下部は尾根状が目立ち、右へトラバースしなければならないのだが、雪が消えてしまったりで2ケ所トラーゲンしてヤブコギを強いられてしまった。正規のルートへ戻り、ひと滑りで道新自然の家前へ戻った。タクシーを呼びニセコ駅へ戻った。
 
                                 (菅沼) 


【コースタイム】 
道新自然の家 8:30 −> 1,000mテラス 10:00/10 −>  
真狩側頂上 12:30/40 −> 三角点 13:20/30 −>     
1,840m(滑降開始点) 13:50/14:05 −> 道新自然の家  15:30


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 上記本文中『道新自然の家』とあるのは、『道新羊蹄自然の家』の間違いで
あり、97年にそれまでの村営から民営化され現在は『羊蹄自然の家』となっ
ている。(2001/4/20)
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