Last Update :Aug 23, 1999 遡行図追加
        May 10, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

大倉沢                    

上越 / 湯桧曾川

                         1981年9月5日〜6日 
           メンバー:L.菅沼、長谷川、小森宮、松森、今野、坂井 

9月5日(土) 曇り

 霧雨の降る生憎の天気の中を新道を辿り武能沢出合いから溯行を始める。湯桧曾川本谷を溯行し、十字峡から大倉沢へ入る。 
 出合の6m滝はシャワーを浴び水流を登る。C.S.滝5mも左右とも水を浴びる。沢が左へ曲がり正面からルンゼが2本流入する。2段10mを越えると15m滝だ。左壁を慎重に越える。この辺りまで来ると残雪が目立ってくる。滝は連続し、続く4段25m滝は右手のリッジを快適に登る。
 右手からの小沢を過ぎ沢が左右に曲がると大滝40mだ。遠くから見ると階段状に見えるのだが、近づいて見ると結構立っている。落差があるので慎重に右壁の階段状を中段まで登り、上段はアンザイレンをしてリッジを左にトラバースし水流横を登る。ホールド・スタンスとも豊富だ。
 大滝より上はゴルジュとなりナメ気味の連瀑を登る。二俣手前はスラブ床の流れとなる。崩れたブロックが沢を埋めている。ブロックを頼りに右手のスラブを登る。
 二俣からは左俣へ入る。出合の5mは水に濡れ左から登る。ゴルジュを越えると沢は右へ曲がる。10m滝に続き釜を持った3mのC.S.滝だ。さんざん迷った挙げ句直登する。左岸を登るのだがC.S.の下に移る所が悪い。ここに限らず両岸はスラブで高巻きは非常に悪い。巻きたくても巻けないと言う感じだ。
 滝となって左沢が出合うと再び狭いゴルジュとなる。釜が深く泳いで取り付くつもりだったが、両手両足を突っ張り何とか越える。大ナメ滝、赤いくの字の滝と連続する滝を快適に登り中俣出合いに着く。中俣は25mの滝で落ち合っている。
 中俣に入っても滝が連続する。途中のナメ滝がツルツルで取り付き辛いのを除くと快適に高度を稼ぐ。10mの滝を最後に沢は窪状となり傾斜も次第に緩くなる。下の池付近の平坦な所にツェルトを張り、今日の溯行を終了する。
 ずっと小雨が降り続いており、少し寒い一晩となった。翌6日も天気がはっきりせず、朝日岳を経て宝川温泉へドロドロの道を下った。 


記:菅沼、電子化:作野 


【遡行図】

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