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        May 7, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

滝子沢                    

大菩薩 / 笹子川

                           1981年8月16日 
            メンバー:L.菅沼、伊藤(碩)、小森宮、斎藤、陶山 

8月16日(日) 晴れ

 23:55新宿発長野行き夜行は初狩駅に停車しないので、一旦大月駅で下車し、ホームで仮眠した後、朝一番列車で、隣の初狩駅に着く。我々以外に下車したのは釣師が1人のみ。駅員が我々の服装を見て、どこへ行くのか不思議そうに尋ねる。
 滝子橋まで国道20号を30分ほど歩く。沢沿いの林道を暫く歩き、途中から踏み跡へ入り、神社脇から沢へ下りる。
 最初は両側からボサが多く、水量も少なく、そのうち完全な伏流となり、乾いたゴーロが続く。沢を間違えたのではないかと半信半疑のうちにやっと水が現われ、沢らしくなってきて、二俣へ着いた。
 ここから右俣へ入るとすぐに階段状の35m滝だ。続いて2段10m、5mナメと快適に登る。次の4段50mと3段30mは45度位のナメで、ホールド・スタンス共に乏しく、フリクションのみで登る。右から支枝の入ってくる所で、真中にクラックの走っている20mスラブが現れる。初めてザイルを出し、菅沼リーダーがトップで登る。クラックの中に残置ハーケンがあるがさほど難しくない。
 次の7mハングはガイドブックによると直登不能で右岸を巻くことになっているが、側まで行ってみると直登可能だ。一応ザイルを出し、私がトップで取り付く。右側を中断まで登り、シャワーを浴びて真中へ移り、一気に直登する。ズブ濡れにはなったが、ホールド・スタンス共に豊富で楽しく登れる。次の4mハングを過ぎると、沢もほぼ終わりで、水も隠れ、脆いガレになってきた。
 沢の中よりずっと悪いボロボロルンゼを詰める。急傾斜で、ガレの上に腐った落ち葉が堆積し、ともすればずれ落ちる。側壁に手をやるとボロボロ剥がれる始末。行き詰まった所で、ついに、左手の痩せ尾根へ移ることにする。ザイルを出し、私がトップで行くが、非常に悪い。騙しだましずりあがって、やっと立木に手が届きほっとする。15m位ザイルを延ばした所で確保する。ガレの手前にあった左の踏み跡らしき所を登った方が良かったようだ。 
 ここより上は、急傾斜の薄いヤブの中を立木に掴まりながら登る。飛び出した稜線はちょうど1590mの三角点の所であった。
 下りはハイキング気分で、地下足袋・わらじのまま尾根道を下り、2時間ほどで初狩駅に着いた。

【コースタイム】
初狩駅 6:40 → 滝子橋 7:10 → 沢降下点 8:00/30 → 二俣 9:30 
→ 中央クラックの20mスラブ 10:20 → 沢終了1430m 11:35/12 → 
1590m三角点 13:30/14:15 → 初狩駅 16:10 


記:陶山、電子化:作野 


【遡行図】                              

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