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        May 7, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

豆焼沢                   

奥秩父 / 滝川 

                      1981年10月10日〜11日 
  メンバー:L.伊藤(碩)、小森宮、坂井、菅沼、長谷川、高野、今野、蔵田 

10月10日(土) 晴れ

 前夜西部秩父へ行きタクシーで川又へ入り仮眠する予定だったが、遅すぎるという理由でタクシーに乗せてもらえず、仕方なくお花畑駅で仮眠となった。翌日一番電車に乗り、三峰口からバスで秩父湖、更に乗り継ぎ、川又に着いた時は9時になってしまった。
 滝川沿いの国道140号を通り、天狗岩トンネルを過ぎると本流と離れ、豆焼沢沿いの道になる。左下にゴゼの滝が見えるが道路工事の為ほとんど埋まってしまっている。丁度滝の上で橋を架ける工事が行われている。現場を足早に過ぎ、モチゴヤ沢を下降し豆焼沢へ下りる。
 小滝を越えて行くと7m滝だ。左側から登る。続く5mC.S.は倒木を利用し登る。ここで沢は開け前方にホチの滝が見える。トウガク沢手前の5m滝は右を巻く。ホチの滝は落差があり水量も豊富で実に立派だ。見物後左の踏み跡を利用し高巻く。
 続くゴルジュは始めの淵を右からへつり、次の滝の左を登り抜けられそうだ。3人だけ挑戦し、残りは右手の踏み跡を利用し小さく高巻く。結局3人はゴルジュ出口の滝がツルツルの為登れず、上からザイルを垂らし何とか登った。
 次のゴルジュは始めの3mC.S.を登り、あとは左より高巻く。小滝が続きどんどん登る。やがて2段8mトオ滝が現れる。左手に倒木があり利用して登ろうとするが離れ過ぎの為駄目だった。下段はツルツルで登れず左から高巻き、上段は左から登る。ここに限らず大変滑りやすく、スリップに神経を使う。ここから沢は開けゴーロが続く。左から沢が入り、再び沢が狭くなる手前によいビバークサイトがありそこで今日の行動を中止する。久し振りに大きな焚き火を囲んで沢の中での一夜を過ごした。 


10月11日(日) 晴れ

 朝のうちは水が冷たい。出発するとすぐに十字点だ。小滝を越えるとワイヤーのある2段6m滝だ。右側から登る。滝が連続し、2段15m滝に行く手を阻まれてしまった。左から登るのが簡単そうなので登るのだが、途中1m位のところが切れており悪かった。右側からも2人登り、2人は左のルンゼから高巻いた。
 3段50m滝は傾斜が強く落差もあり立派な滝だ。滝の途中に大木が立っておりちょっと変な感じだ。見物後左の踏み跡を利用して大高巻きをする。右手に小さなガレを見送り、沢が右へ曲がった所にある3m滝は簡単に越える。1人だけシャワークライムをして左から登る。
 すぐに4段25m滝だ。この滝は傾斜が緩く、水を浴びれば登れそうだ。濡れついでのコモさんだけ挑戦する。ずぶ濡れになりながら必死に登ったようだ。残りは右の踏み跡を利用し高巻く。続くゴルジュも一緒に高巻く。ここを過ぎるとゴーロ状となり左から沢が入り2段10m滝と続く。下段は左から巻き、上段は左を登る。
 暫くゴーロが続き、左から滝となって沢が合流する。本流にはスダレ状の大ナメ滝がかかっている。適当に登り、右手にガレを見送ると小ゴルジュとなる。小滝が続きどんどん高度を稼ぐ。小滝をどんどん登ると、ひょっこりと突然登山道に出る。
 正面には和名倉山が大きく見える。歩き易い登山道を雁坂峠へ登る。峠を吹き抜ける風は冷たい。山は一面の紅葉が美しい。
 小休後、新地平への道を下る。途中地図の道と全く違う所を通り新地平へ下った。車道に出るとちょうどタクシーが登ってきて、それに乗り塩山へ下った。


記:菅沼、電子化:作野 


【遡行図】

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