Last Update :Jul 9, 1999 概念図追加
Feb 18, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

岩菅山                  

上信 /

                       1981年3月21日〜22日 
                   メンバー:CL針谷、高野、柳沢、今野 

3月21日(土) 晴のち曇

 湯田中よりタクシーで発哺に入る。定刻前だったが空中ケーブルに乗せてもらい、リフトに乗りついで寺子屋山に着いた。 身支度をしていると野沢までツアーをするというRSSAの二人に会う。シールをきかせ登りはじめて30分ほどで前寺子屋山の2125mの三角点につく。更に20分ほど進むと赤石山との分岐に立つ。 
 岩菅山を正面に眺め、一本の長い尾根が山頂へと続いている。稜線の右側は魚野川へ切りたち、左は雑魚川へと広がりを見せ,ふり返ると東館山のケーブルの駅が見える。
 天気は薄曇りでまあまあだが足元は東に雪庇が張り出し、低い所で50cm高い所では3mほどの段差のある洗濯板のようなところを波乗りしてゆくのであるから、アルトからソプラノまでの音域でワーとかキャーとか、転んだり滑ったり...
 2085m地点で休憩をとり再び先の状態でいくつかの小峰を上下しながらノッキリにむかう。ノッキリの直前のピークは稜線をはずし左下をトラバースする。左手を見るとちょうど半円を描くように東館山からの延々と長い山稜が続き『よく来たなあ!』と感慨も深い。
 ノッキリに着き、オオシラビソ、コメツガの樹林の中に雪洞を掘る。3時間にてやっと1Kのささやかな部屋ができる。雪洞づくりに張りきりすぎて夕食もあまりすすまなかった。

【コースタイム】 
リフト終点 9:15 → 前寺子屋山 9:35 → 
2085m地点 10:25/45 → ノッキリ 14:00  


3月22日(日)雪のち晴

 前夜夕食の時から小雪がちらついていたが朝起きてみると5cmほど積っていた。食後、雪洞をこわして出発。視界は悪く50mくらい。右側は切り立っているので左に左にルートをとり、時々、あまり稜線をはずしてはと、確かめながら登る。1時間ちょっとで山頂に着く。神社の石の祠も避難小屋もすっぽり雪にかくれ、記念碑だけがポツンと建っていた。
 休憩後、視界が悪いので裏岩菅に行くのはあきらめそのまま滑って降りることにした。まず北に進路をとり下る。しばらくすると広い緩斜面に出た。皆、思い思いのシュプールを描く。次に西に下るとやがて狭まった急斜面に出た。小さな沢を二つほどトラバースする。昨日積った新雪が足元から崩れ落ちてゆく。
 1800m地点からはなだらかな斜面が続く。春の陽射しをあびながら皆歓声をあげながら滑る。そうこうしているうちに、イワナの自然保護観察場、吉沢川沿いにぶつかるバス停「岩菅」に出た。なんとこの運のよさ!バスにて湯田中に出て、温泉につかり、車中の人となる。 

【コースタイム】
雪洞 8:25 → 岩菅山頂 9:35/10:20 → バス停 13:20 


記:針谷、電子化:西川 


【概念図】
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