Last Update :Jul 8, 1999 概念図追加
Apr 26, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

日白山(2)                   

上越 / タカマタギ山へ
                              1981年3月21日 
                        メンバー:L.小森宮、菅沼、藤原 

3月21日(土) 曇り

 越後湯沢駅で仮眠し、苗場スキー場行き一番バスで二居まではいる。地王堂川への林道入り口でシールを付ける。民宿の間を抜けスノーモービルの跡を登る。広い谷に出ると右手にセンノ沢が見える。正面左側には目指す日白山が白い。正面には稜線が見え、意外と近い。日白山直下は雪の急な斜面だが、右手の稜線は樹林に覆われておりそこを登れそうだ。
 夏道が沢を横切る辺りから沢の中を登る。次第に傾斜が増し、東谷山方面の尾根からの小さなデブリが目に付く。夏道を右に分け谷をそのまま登る。やがて沢は急に右へ曲がり急斜面の中に消えてしまう。もう稜線は近いようだ。
 正面の日白山からの沢にはデブリがいっぱい詰まっており、スキーを脱ぎ右手の尾根に取りつく。傾斜が急な為ラッセルが大変だ。ひと登りで傾斜が緩くなり再びスキーで登る。この辺りはまばらな樹林帯で下りにも使えそうだ。稜線直下はツボ足で登り、ちょうどナガツル尾根とのジャンクションに出る。日白山が目の前に見える。そのままツボ足で日白山へ登る。
 振り返ると仙の倉山・平標山が白く高い。東ゼンも西ゼンも雪に埋まり白く見える。平標沢もよく見える。左側の沢は少し急そうだが右手一の肩寄りの斜面は滑れそうだ。一度滑ってみたいルートだ。仙の倉山北尾根から来たという単独行者と会う。
 タカマタギへは右側に雪庇が張り出した広い尾根を行く。途中にピークがありシールを付けたまま滑る。なるべく左側を滑る。1581mのピークを左から巻き少し急な斜面をひと登りでタカマタギの頂上に着く。山頂付近には雪庇は殆どない。寒いので風をよけて休む。
 タカマタギから芝原峠方面への稜線は幅が狭くスキーには向いていないようだ。目指す棒立山へは山頂から芝原峠方面へ少し下り右手に下っている尾根を下る。スキーをザックに付け急斜面を下る。ここも右手には大きな雪庇が張り出しており注意しながら進む。ヒザまでのラッセルだが下りなので比較的楽に棒立山に着く。
 シールをはずし待ちに待った標高差800mの滑降に移る。山頂直下は尾根というより稜線の斜面に過ぎない。急なのと雪質が悪い為慎重に斜滑降キックターンで下る。表面の雪がグズグズで滑るそばから崩れ落ちる。斜滑降キックターンだとその上を滑らざるを得ず大変滑り辛い。少し下ると目指す棒立沢左岸尾根がはっきりしてくる。樹林帯にはいり林間滑降を楽しむ。雪質が少し悪いので快適とはいかない。途中から風の為か尾根上は凹凸が多く滑らないので松川側を巻きながら下る。コルは思ったより広い。棒立沢側は2m位切れ落ちており、下り方等考えながら一休みをする。
 結局飛び降り雪壁の下でスキーを付け棒立沢へ滑り降りる。ここも樹林の中を滑る。棒立沢の本流に出ると緩い広い沢の中を滑るようになる。左側は全く木のない大斜面が広がっているのだが今日の雪質では滑る気にならない。棒立沢右岸尾根の末端につくと日白山であった人が雪洞を掘っていた。声をかけて通り過ぎる。送電線の下から右手へ少し登り、送電線沿いに下る。毛渡沢側に出るとシュプールが多くなりその上を進む。途中線路を渡り、高速道路まで下る。シールを付け高速道路を土樽駅へ向かう。駅までの登りがやけに長く感じつかれてしまった。
 一泊二日の計画だったが一日で下ってしまったのでそのまま帰京した。

【コースタイム】
二居 7:15 → 1030m 7:55/8:20 → 1330m 9:00/20 → 
稜線 10:35/50 → 日白山 11:00/10 → タカマタギ 11:50/12:30 → 棒立山 12:50/13:10 → コル 13:55/14:05 → 毛渡橋 15:00/10 → 土樽駅 15:30 


記:菅沼、電子化:作野

【概念図】                                     


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