Last Update : Jan 1, 1998

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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

至仏山                 

尾瀬 / ワル沢
                         1982年3月6日〜7日 
                             M:陶山、伊藤久 

3月6日 小雪

 沼田着2:15、ガランとした構内にはタクシーに相乗りすべき登山者はおらず、高いタクシー代を払うことになる。4:00運転手さんに起こされて、戸倉スキー場に向かう。6:00まで車中で仮眠し、身仕度を整え出発。
 空は重たげで天気はあまり期待できそうもない。富士見下からは林道を無視して富士見峠を目指す。小雪の散らつく中、ウサギの足跡や古いシュプールと交差しながら進む。林の中のなだらかな道をのんびり歩くのは楽しい。11:45峠は通らず1930m地点に突きあげる。アヤメ平は風が強くカリカリで1968mのピーク下の樹林帯までシールのまま行く。一休みしていよいよ鳩待峠へ。斜度はないがモナカ雪で曲がれず、転ぶとザックをおろさないと起き上がれない。明日が思いやられ、目の前の至仏が遠のいていくようだ。最後にちょっと急な斜面を滑ると峠に着いた。15:15鳩待山荘の軒下を借りて、ツエルトを張る。 


3月7日 雪のち晴

 6:30昨夜から降り続いている雪の中、新雪を滑れると勇んで至仏に向かう。サラサラの雪は軽く、ラッセルも苦にならないと思ったのは最初だけ。ほぼ夏道どおりに登るが、なかなかはかどらない。やっと出た稜線は吹雪で視界はきかない。ふと気がつくと雪庇の縁を歩いていてヒヤッとする。吹きつける風はますます強く、念願の至仏の山頂もどうでもよくなってくる。結局、小至仏の直下であきらめ、尾根を忠実に少し戻ってから、ワル沢に滑り込む。ウソのように風が止み、粉雪の快適な滑りが待っていた。今シーズン最高の雪質を思うぞんぶん楽しむ。出合いから鳩待峠に登り返し、11:00ベース着。 
 ゆっくり休んでから、青空の広がってきた峠を後にする。津奈木橋までは滑れたが、あとは傾斜がなくなりトップはこがないと進まない。でも二番手の私は、長い林道も十分楽しんだ。西栗橋でスキーをはずし、14:15戸倉のバス停に着いた。

                               (伊藤 記) 

【コースタイム】
3/6 
戸倉スキー場 6:30 → 富士見下 7:40/8:15 → 田代原 9:05/15 → 仙沢田代 11:45 → アヤメ平 12:05 → 横田代 13:50/14:00 → 
鳩待峠 15:15 

3/7 
鳩待峠 6:30 → 稜線 8:40/50 → 2100m(引返し) 9:00 → ワル沢(1460m) 10:10/15 → 鳩待峠 10:55 /11:55 → 津奈木橋 12:20 → 西栗橋 13:50/55 → 戸倉 14:15                         

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