Last Update : Apr 25, 1999 概念図追加
Jan 1, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

安達太良山                 

東北 / 横向温泉より
                       1982年2月27日〜28日 
                 L:陶山、M:田中道、小森宮、柳沢、郡司 
                      作野、高野、針谷、鈴木由、馬場 

2月27日(土) 猪苗代 → 横向温泉 → 鉄山 → くろがね小屋  

 猪苗代駅よりタクシー2台に分乗し、横向温泉少し手前の箕輪山登山口へ入る。軽く朝食を摂った後、シールで登行開始。例年になく雪が少なく、所々熊笹が出ている中を箕輪山目指して登る。1500m付近より箕輪山をトラバースして笹平へ向かう。所々標識があるが倒れていたり、雪に埋まっていたりする。シャクナゲのブッシュ地帯で歩きづらい。ガスが出てきて、ルートが良くわからなくなったので一旦笹平へ出る。笹平は広い雪原だが、凹凸とブッシュがうるさく非常に歩きづらい所だ。そのうちガスが切れてきたので、西寄りのブッシュのないゆるい沢を登る。
 鉄山避難小屋にて、1時間の大休止。小屋のそばは風で雪が飛ばされ、岩が露出している。時間に余裕があるので、紅茶を沸かし歓談する。
 再びガスが出てくる。無視界の中を鉄山までシールで進む。雪面は堅い凹凸である。崩れかけた鉄山の標識の所でシールを取り、滑降の準備をする。鉄山頂上から、視界の悪い中を一旦、東の急斜面を滑り、すぐに南へ進路を変更して、通常夏ルートの鞍部へ出る。途中雪がなくスキーを担ぐ。この頃から若干見通しが良くなる。ここで、二手に分かれ、一隊は矢筈森側へ少し登った所から滑り、一隊はこの鞍部から直接くろがね小屋を目指す。雪質悪く、足をとられ、転倒続出。雪が少なく途中でスキーを脱ぐことになるかもしれないと案じていたが、結果的には小屋までスキーを脱ぐことなく滑れた。
 小屋に着き、荷物を整理し、風呂に入るもの、お茶を飲むもの適当に過ごしていると、橋本氏と柳沢さんが、別ルートより到着。 あだたらスキー場には雪がなくゴーストタウンのようだと言う。日帰りの橋本氏は15時頃、皆の見送る中を歩いて帰っていった。夕食までの時間をトランプで姦しく過ごす。豪華な?食事の後、消灯までの間、布団の上でスキーとは関係のない「男の自立」について大討論会。窓の外は気味悪いほど静かで満天の星であった。 

【コースタイム】 

猪苗代 6:45 → 横向温泉登山口 7:15/55 → 1390m 8:55/9:05 → 1500m 9:25/30 → 笹平 10:35 → 鉄山避難小屋 11:00/12:15 → 鉄山 12:45 → くろがね小屋 13:20


2月28日(日) くろがね小屋 → 矢筈森 → 安達太良山 → 鉄山 
           → 横向温泉 → 猪苗代


 強風とガスの中を出発。沢をシールでつめて、矢筈森と安達太良の鞍部へ出る。ここでスキーをデポし、アイゼンに履きかえて安達太良へ向かう。雪面は良く締まっており、アイゼンが良く効く。安達太良山頂に着くと待っていたようにガスが上がり始める。360°の大展望である。今日予定の船明神の南尾根は上部は充分に雪がありそうに見えたが、下部の樹林帯の中まで続いているかどうか不安があったので、昨日登ってきた横向温泉へ戻ることにする。
 スキーデポ地からはスキーをザックに着けアイゼンで歩く。沼の平からのものすごい強風に吹き飛ばされそうになりながら、夏道どうしに鉄山を通過し避難小屋へ向かう。またまた避難小屋で紅茶を沸かしての大休止。
 ここから滑降開始。初めはブッシュも凸凹もないなだらかな少し凍った広い沢をまあまあ快適に滑るが、箕輪山のトラバースでは登ってきた時同様ブッシュにやや苦労する。林間に入ってからは少し滑りよくなり、八ミリによる撮影み行う。だんだんヤブが濃くなって、昨日の登山口へ着く。
 バス道路を5分ほど歩いて横向温泉へ到着。またここでも温泉へ入り、軽い食事をした後、タクシーで猪苗代へ出る。

                               (陶山 記) 


【コースタイム】

くろがね小屋 7:35 → 矢筈森スキーデポ地 8:55/9:15 → 安達太良山 9:35/10:00 → スキーデポ地 10:10/20 → 鉄山避難小屋 11:04/12:05 → 1340mかん木帯 12:55 /13:05 



【概念図】 

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