Last Update : Apr 25, 1999 概念図追加
Feb 1, 1998
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 ラ・ネージュ記録集II 

  発行日 1982年10月1日 
  発行人 山スキー同志会    
  編集人 斎藤 進、川口敏博 他

船形山                    

東北 / 北泉ケ岳より定義 
                          1981年2月14日〜15日 
                                   菅沼 単独 

2月14日(土)曇り

 前夜上野発23:32急行いわてにて出発する。いつもの上越線と違って空いており、ゆっくり寝て早朝仙台に着く。日立ファミリーセンターの前から7:00発の泉青年の家行バスにのって泉ヒュッテ前で降りる。除雪された道を地図にある自然の家まで歩く。
 シールを利かせてヒザ川沿いの夏道を登る。750m位まで登ると広い雪原に出る。積雪が少ないのかブッシュが頭を出している。大きな碑のある水神で沢を渡り右岸へ移る。山腹を斜登高気味に登り956mのコルに着く。1115mへ続く広い尾根は地図だと良いスキールートに思えるが実際にはブッシュが多く苦労しそうだ。
 泉ケ岳の稜線に足を一歩踏み入れると積雪がぐっと多くなる。見事なブナの原生林が続く。気温が高いためか腐った雪がシールとスキーに付き足が重く大変疲れる。尾根が左に登るようになり、少し急になると北泉ケ岳の頂上に着く。
 頂上は少しガスっており展望はない。シールを外し先を急ぐ。指導標には船形山へ14kmとある。傾斜は良いのだがブッシュが多く苦労しながら滑る。途中尾根が広くなり、地形も複雑になる。1108mより西南西へ下る尾根にブッシュがないので間違って下ってしまう。すぐに気が付き正規のルートへ戻る。平らになったところが熊の平だ。大原生林の真っ只中と言った感じだ。
 ここから再びシールを着けブナ林の中を登る。やはり雪が重く足を取られ疲れる。急登が始まる手前の1170mの地点で今日の行動を終わり、雪を掘りツェルトを張る。

【コースタイム】
少年自然の家 8:30 → 水神 9:35 → 940m 10:00/10 → 1200m 11:05/15 → 北泉ケ岳 11:30/40 → 熊の平 12:35/55 → 1080m 13:30/45 → 1170m 14:30


2月15日(日)曇り

 今日は高曇りでパっとしない天気だ。3日の予定なので余裕を持って先へ進む。少し登ると長かったブナの原生林もやっと終わり森林限界となる。いよいよ三峰山への登りだ。一峰目は急なうえ雪が硬いのでスキーは登れずつぼ足で登る。ここらは展望が良いところなのだがガスの中で何も見えない。小さなコブを幾つか越えると蛇ケ岳三叉路に付く。ここもガスの中でルートがよく分からない。少し休みルートを良く観察する。
 時々ガスが切れ少し見えるようになる。ここから再び広い尾根を行くようになり慎重に進む。蛇ケ岳の下りでカモシカを見る。近づくとガスの中へ足早に消えてしまった。真っ白な斜面が続く。時々ガスの切れ目から船形山頂の小屋が見える。割と近くすぐに山頂に着いた。山頂付近は風が強いためか一面のシュカブラだ。今日は風もなく雲の上に出た為日が当たっている。1500m辺りを境に雲海になっている。升沢方面には雲がなく良く見える。
 シールを外して登った尾根を滑る。下りは比較的視界があり、すんなり滑ることができた。蛇ケ岳の登りでシールを着け三叉路へ戻る。先ほどより大分視界があり、ここから後白髪山へ向かう。小さいが急なキャメルピークは2つとも左側を巻きながら登る。再びガスが出始め後白髪山に着いた時は完全にガスになってしまった。とても快適な滑降ができるはずも無くシールを着けたまま白い広い尾根を滑る。地図・磁石・高度計を取り出し慎重にルートを決める。
 広い尾根を1360m付近まで下り、南西へ降りる尾根に見当を付ける。ここでシールを外す。すぐに尾根に出てルートが正しいことを知る。1100m付近まで下ると尾根は平坦になり、ブナの原生林となる。途中からはブッシュが出てきて滑り辛い。少し急な下りになると林道に出る。滑らない林道に大汗をかかされ定義へ下る。林道の途中でまたカモシカを見る。急な斜面を元気にかけている様が印象に残った。

【コースタイム】 
1170m 7:00 → 蛇ケ岳三叉路 8:10/20 → 船形山 9:25/45 → 三叉路 10:35 → 後白髪山 11:25 → 1360m 11:45/55 → 林道 13:10/15 → 県道 14:05 → 定義如来 14:35

記:菅沼、電子化:作野

【概念図】                                    


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