Last Update : Mar 10, 2012
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ラ・ネージュ山スキー記録集 I 


  発行日 1980年11月1日

乗鞍岳(正月合宿)

1979年12月29日〜1980年1月3日

12月29日 晴 スキー場〜位ヶ原

0:30発アルプス57号で松本に着く。予約していたタクシー2台で一路スキー場へ。タクシーの中から日の出(7:05)とともに乗鞍岳山肌が薄いピンク色に染まるのを見る。7:15深山壮着。身支度をして朝食をとると、登山届を出して動き始めたリフトに乗る。今年は何処のスキー場も雪不足で、ゲレンデはブッシュが露出していてとても滑る気持ちにはなれない。3本のリフトを乗り継いで国設第1リフト終点からシールを付けて自動車道路に入る。(第2、第3リフトはゲレンデに雪が付いていないので運休)この辺まで来てやっと雪らしい雪にで出会う。空にはフワフワ雲が一つ二つ浮かぶだけで、後は青い空が広がっていて春のような暖かさだ。途中1時間ごとに10分程の休憩を入れて登る。車道に沿っての緩い登りなのでさほど苦しくはなかったが、女性2名が靴ずれをおこし、サビオでは間に合わないでガムテープで手当てする。冷泉小屋を過ぎてのジグザグの登りは、流石足が重くなり位が原山荘のところでテントを張っている人たちが羨ましく見えた。橋を渡ったところから車道を外れ林の中にはいる。石垣でできた空き地にテントを張る。

【タイム】 

深山壮8:30→第1リフト終点9:00/9:30→三本滝11:05→冷泉小屋13:45→幕営地15:10

【メンバー】 
菅沼、田中、針谷、長谷川、石田、佐々、今野

12月30日 晴 位ヶ原 雪上トレーニング

8:45ハイマツの合間をぬってシール登高、肩の小屋まで登らないで途中の雪原で雪上トレーニングをする。昨年やはり剣ヶ峰を目指す途中青氷の上で滑落(?)したときにストックで止めたことがあるとのこと。アイスバーンになっているところを選んでスキーを付けての滑落停止の練習をする。転がると同時にストックの先を斜面に突きさしピッケルの代わりをさせるのだが、なかなかうまくいかなかった。しばらくその練習をした後、幕営地まで心のままに滑る。所々アイスバーンになってはいるが、流石三千メートル級、雪が軽くて、遠くに槍、穂高連峰や八ヶ岳を見ながらの一滑りは快適だった。あっという間に幕営地着。後発隊の到着を待って、テントの中や周りで過ごす。

参考タイム:幕営地8:45→雪上トレーニング9:20→幕営地12:20、14:00後発隊1名到着、少し間を置いて2名、14:40最後の1名が着いて今回のメンバーが全員そろう。後発隊の男性2名は体調が悪くてテント到着の時はダウン寸前だった。

【タイム】 
深山壮8:30→第2リフト終点9:11→車道10:15→幕営地14:40

【メンバー】 
橋爪、小森宮、高野、郡司

12月31日 曇りのち吹雪 位ヶ原→肩の小屋

A隊、B隊に別れて剣ヶ峰の登頂を行う。自動車路のそばに建つトイレ脇にて小休憩、その頃から雪がちらつき始め、視界が効かなくなる。吹き付ける雪をついて、ひたすら登る。肩の小屋の少し手前の斜面は吹きさらしでアイスバーンになっていて、シールをつけていても後に滑りそうになってなかなか進めない。先に小屋に着いたA隊が迎えに来てくれ、やっと小屋のところに張ったツェルトの中に逃げ込む。しばらくツェルトの中で吹雪の納まるのを待つがその様子も無いので、登頂を断念する。アイゼンを付けスキーは細引きで引っ張って下る。途中アイゼンが外れてしまう。幸いクラストされたところは過ぎていたが、これが風の強い急斜面や稜線だったらと思うとゾーとした。前の人の歩いたあとをショボショボと降りる。しばらく下ったころ視界もやや効いてきたのでスキーに履き替え幕営地に滑り込む。テント内で昼食を取って一息つく。昨日の晴天で冬山を簡単に考えた自分の甘さを大いに反省。アイゼン登高の勉強不足を痛感する。昼食後、菅沼、高野、針谷、長谷川各氏を残して再び雪原へ。登高練習、ザイルを張ってカラビナじめで確保されての登高等々の雪上トレーニング、トランシーバーの交信練習をしてテントに戻る。(15:30)

【タイム】 
幕営地6:45→自動車道7:30/7:45→肩の小屋8:55/9:15→幕営地11:00

【メンバー】 
A:菅沼、長谷川、田中、高野、郡司
B:橋爪、小森宮、針谷、石田、佐々、今野

1月1日 晴 位ヶ原〜肩の小屋〜剣ヶ峰

4:30起床。雑煮とおとそでちょっぴりお正月気分になる。A、Bの両隊に別れて出発。昨日の吹雪がうそのような好天気で、サーモンピンクに染まった雲海には北アルプス、八ヶ岳の山々が浮かんでいる。風が描いた雪原の模様はちょっとした芸術品、その上をシールを効かせて登る。自動車道を過ぎるとコロナ観測所が目の前に迫り、肩の小屋が見えてきた。小屋にスキーをデポし、いよいよ剣ヶ峰へ、アイゼンを付けて朝日岳の鞍部を目指す。ザイルを固定し、カラビナ締めをした細引きで確保されながら登る。3ピッチ程で鞍部に飛び出す。歩き方が悪いのかアイゼンを外してしまい、少ししょげる。雪と岩の路をのぼりつめて頂上に立つ。一番初めに、堂々と立ち上がる木曽御嶽が目に入る。そして、白山、北アルプス、八ヶ岳、南アルプスの大展望を眺める。下りは心の中で「ガニマタ」と唱えながらなんとか降りる。肩の小屋からの滑りは爽快そのもので、時々雪と戯れながら滑る。

【タイム】 
幕営地7:15→自動車道8:00/8:07→肩の小屋8:35/8/50→朝日岳鞍部10:00→剣ヶ峰11:15/11:25→肩の小屋12:25/13:00→幕営地13:40

【メンバー】 
B:橋爪、小森宮、針谷、郡司、佐々、今野

1月2日 曇りのち晴 位ヶ原→スキー場

先発隊下山。テント1張りを撤収。車道に沿ってスキー場まで滑る。入山した時より、雪が解けていて、道はわだちができていて滑りにくい。途中雪が消えゲレンデに入るがここはもっと雪が少なく何人かはスキーを担いで降りる。深山荘で汗を流してバスで松本に戻る。

【タイム】 
幕営地7:45→第3リフト下の車道8:05/8:15→深山荘9:15/11:0→バス乗車

【メンバー】 
菅沼、長谷川、石田、針谷、田中、今野

(後発隊、肩の小屋まで登高。雪訓後昼からは大黒岳のルート偵察をして2500m地点から下山する。)

【タイム】 
幕営地9:25→肩の小屋9:25→幕営地12:50/13:50→大黒岳2500m地点15:00→幕営地15:40

1月3日 晴 後発隊下山

(今野 記) 

【概念図】

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