Last Update : Feb 10, 2012
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ラ・ネージュ山スキー記録集 I 


  発行日 1980年11月1日

谷川岳より芝倉沢

1980年4月12日〜13日

メンバー:遠山、小森宮

4月12日 曇りのち晴のち曇り

土合での仮眠後、ロープウェイ、リフトを乗り継いで天神平に着く。天神尾根は柔らかいザラメ雪。西黒沢パーティと一緒に登る。熊穴沢避難小屋はまだ雪の下から屋根をのぞかせる程度だ。次第に空も晴れてきて照り返しが暑い。一汗かいて谷川岳頂上で休憩。風が気持ち良い。

しかし、空全体に薄雲がかかり始め、西の空から悪天の兆しあり。早々に出発することにする。しかしここから一ノ倉岳への稜線は、雪は残っているものの、夏道が所々藪の中から顔を出してスキーは使えそうもなくガックリ。いざ歩きだすと、ハイマツや笹ヤブに乗った雪を踏み抜いて足を取られ快調とは言い難い。遠山氏と顔を見合わせ、苦笑い。

東側に張り出した雪庇を踏まないようにしながら、ほぼ夏道を辿る。一ノ倉岳への鞍部で一回目のトランシーバ交信をするが雑音が多くてなかなか通じない。チャンネル切替でなんとか通じるようになった。

ここからの登りも、またしても軟雪を踏み抜いて苦労する。スパッツの中までグショグショだ。3時近くに一ノ倉岳頂上に着く。芝倉沢を見渡すと、源頭部は、結構傾斜はあるが、すり鉢状に広がって明るい感じだ。途中から狭まって、納会で行ったことのある屈曲点で狭まっている筈だ。沢は北向きであるし、夕方近いので斜面の凍結を心配して、ヤッケは止めてセーター、ズボンのままで滑ることにする。

先ず山回りで雪質を確かめる。これならこなせそうだ。気持ちを引き締めて滑降に移る。素晴らしい斜面だ。途中止まるのが惜しくなって、一気に高度差300m程滑り下りた。息がはずんでくる。一緒に下り始めた登山者がもう豆粒の様だ。続いて遠山氏も快調に降りてくる。

沢が狭まってきて、所々両側から真新しいデブリも押し出しており緊張する。大岩も過ぎ屈曲点近くなると沢一杯にに笹平からのデブリで埋め尽くされてスキーでの通過に手間取った。旧道出合より更に沢筋を滑って虹芝寮に着くと、蓬峠越えを済ましてきた菅沼氏が出迎えてくれた。早速ツェルトを張る。今回は出発時には移動性高気圧も去りつつあり、気圧の谷の接近速度が心配だったがなんとか保ってくれて、無事念願の稜線からの芝倉沢滑降を終了することができた。
【タイム】 
リフト終点(曇り)9:45→熊穴沢避難小屋(曇り)10:40→谷川岳頂上(晴れ、11℃)12:00/12:40→鞍部(曇り)13:15/25→一ノ倉岳頂上14:45/15:20→旧道出合16:00→虹芝寮(曇り)16:15

4月13日 曇りのち雨

メンバー:菅沼、作野、坂元、遠山、小森宮

朝6時過ぎ、日帰り組(伊藤(碩)、高野、今野、高溝)到着。長谷川氏が同行して、芝倉沢に向かった。私たちは、昨日西黒沢より新道をまわって来た作野氏、坂元氏とともに先に帰京することにした。虹芝寮から谷川新道は、まだ雪がずっと残っていて、スキーを履いて新道入口まで滑ることができた。

【タイム】 
虹芝寮7:50→谷川新道入口8:40→土合駅8:50/9:02鈍行上野行

(小森宮 記) 

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