Last Update : Jan 29, 2012
      戻る



ラ・ネージュ山スキー記録集 I


  発行日 1980年11月1日

八甲田山

1979年5月3日〜5月6日 

メンバー:CL.郡司、小森宮、坂井、針谷、鈴木、今野、梅原

上野14番線19:08発急行八甲田。
ホームに行くと、小林正人氏がトップに並んでいた。後にオートルートの連中が続いていたので小生も続く。

同志会は鈴木、針谷、今野と女性連。藤谷、坂井の顔も見えるが、藤谷氏は福田氏と十和田から入るとか。坂井氏は後発の特急寝台でゆったりと、しかも先に着くと云う。彼の3歳の娘が見送りに来て可愛い手を振る。美人の奥方も傍らに!皆が一斉に見やったものだから、奥方はあわてて首を階段の影に引っ込めた。

5月3日 曇り

雲谷で見られなかった雪が酸ヵ湯辺りに十分あるので、一安心。睡蓮沼幕営地に着くと、そこには見慣れた顔が2つ。坂井氏と郡司氏である。郡司氏は飛行機で着いたのである。しかも1日前に。11時間電車に揺られた小生の目には、2人とも涼しげに見えた。

睡蓮沼にテントを張り、硫黄岳に向かって出発。定着幕営だから荷が軽くていい。1週間前に降雪と聞いたが、所々で白く光り、硫黄から滑った時、その新しい雪のブレーキの性能に前のめりになったりして、随分悩まされた。

そのあと、ザックにスキーを縛り着けて小岳に向かう。風がきつく、スキーにヒュンヒュンと鳴る。頂上には雪は無く、コケモモが顔をのぞかせていた。《硫黄から北面を滑り、小岳へは夏道沿いに西側を登る。》小岳から石倉岳目がけて滑り降りる。石倉岳も、と登るが、針谷、鈴木の2人は下で待つ。8ミリを回していたが、そのために転んだ人がいた。

【タイム】 
睡蓮沼9:20/10:35→硫黄岳頂上11:50/12:30、小岳1:30/55→石倉岳2:40/3:10→テント3:30

5月4日 晴

昨日とほぼ同じ道を取って仙人岱ヒュッテまで行く。他の旅館組と合流する予定。予定時刻はAM11時。たっぷり時間があるので大岳まで登ることにした。

地図から見てほんの600mばかり。高度にして200m。斜度30度以上ある計算になる。ひとしきり大汗かいて登ること60分、噴火口の南側に立つ。山頂へは火口を左に見て北へ10分ばかり、1584mのピークである。茶色っぽい溶岩の所々にまばらな雪。直径20mもあったろうか、広いのである。大岳から真西に岩木山が見える。50kmの距離を改めて知るばかり。北を望めば、空と海の判然としない青がある。遠くに見えたのは下北の陸だろうか?

10時半に待ち合わせの仙人岱ヒュッテ前に降りる。(大岳は南面でもありベタベタの湿雪)待つほどに、旅館組との待ち合わせ場所が、大岳の北の赤倉岳に変更という知らせ。テント組の20名近く、再び大岳へ登る気力を無くした。我が同志会は、たった今着いたばかりの小森宮氏のみが青森スキー協の案内人の後に従う。

さてわれ等は昨日と同じコースで小岳に向かう。他のテント組、皆あとに続く。30分ばかりで小岳の頂上。

小岳から南南東に猿倉温泉。3キロ近くのコースである。小岳の上部は湿雪であったが、少し下るとまあまあの雪。雄大かつ痛快な滑りである。1時間ほどで温泉入口に着く。滑りごたえ十分であった。

ここまで来て温泉につからぬことはない。1人300円である。皆予定外の楽しみを得て元気づく。(中には湯疲れした人もあったが。)

【タイム】 
起床4:00食事5:00出発6:20→仙人岱ヒュッテ前7:25/55→大岳頂上9:00/45→仙人岱ヒュッテ前10:30/12:20→小岳頂上12:50/1:30→猿倉温泉入口2:35→温泉2:50/3:35→バス停4:00/4:35→テント着5:00

5月5日 晴

朝、目覚めてみると、郡司氏具合が悪そう。胃腸の調子が悪く夜中に何度も起き、休める状態でなかったと云う。他のものは高鼾で熟睡とか。彼1人テントに置いて出発した。小森宮氏はテント組とりまとめを頼まれ、旅館組と合流とか。

シールは全く使わず、ツボ足で十分。60分で猿倉岳へ。稜線沿いに駒ヶ峰を越え、櫛ヶ峰山麓までこれまた60分で。下から見上げると、ウンザリするほどの斜度。それも30度程度なのだが・・・。北面より登る。思ったより早く30分で頂上。小さな祠が埋もれて、屋根だけが見える。頂上から十和田湖、そしてはるか後方に見えたのは岩手山!

東面を滑り降りる。雪が重く、転ぶ。そこを8ミリで撮られて閉口。

駒ヶ峰の登りに、「もう歩けない!」と女性陣。「温泉に入れるなら頑張って歩く」この現金なこと。

そこで30分の大休憩。

乗鞍岳のいちばんなだらかな北西面を登る。半分以上登ったところで、降りてくる旅館組。とても滑って面白いコースと言いかねる。頂上で、出発しかけた小森宮氏の姿を見つける。話を聞いてみると、睡蓮沼に旅館組が現れたのが8:30、出発が9:00.この乗鞍に11:30頃に着いたばかりという。

乗鞍の東斜面から北に巻いて滑降。雪質は重いが、割と滑りよい。猿倉岳から猿倉温泉へは木切れなどが散らばる林間コース。斜度は20度もあったろうか、快適にとばして温泉へ。

6日も酸ヵ湯温泉に入ってから帰路についたのである。かくして『山スキー湯治会』の名は生まれたのである。

【タイム】 
起床4:00出発6:00→猿倉岳7:00/10→駒ヶ峰7:35→櫛ヶ峰山麓8:10/25→櫛ヶ峰8:50/9:30→駒ヶ峰10:40/11/15→乗鞍山麓11:40→乗鞍岳12:30/1:20→猿倉岳2:20/30→猿倉温泉3:20/4:20睡蓮沼テント地着4:40
(梅原 記) 

【概念図】
戻る
山スキー同志会のホームページへ
メールの宛先:
webmaster@ysd-jp.org